「最近、なんだか疲れやすくなった気がする」
「理由もなくイライラする日が増えたかも…」
そんな“なんとなくの不調”に気づいたのは、40代後半に差しかかるころのことでした。
けれど当時の私は、「年齢のせいかな」「忙しいから仕方ない」と自分をごまかし、気づかないふりをしていました。
でも第2回でお伝えしたように、更年期はある日突然やってくるのではなく、じわじわと始まる「ゆらぎの時期」があるのです。
その“ゆらぎ”に気づいた私は、自分にそっとこう問いかけました。
「今、私は自分を整えてあげているだろうか?」と。
「整える」は、“がんばらないこと”が前提でいい
更年期を健やかに過ごすために、私が始めたのは、激しい運動や難しい習慣ではありません。
「がんばらないこと」を前提にした、自分をゆるめる整え方でした。
たとえば、
◎ 朝の3分呼吸
スマホを見る前に深く呼吸するだけ。
「4秒吸って、4秒止めて、8秒かけて吐く」―
この4-4-8呼吸法は、自律神経の乱れを整え、心を静かに落ち着かせてくれます。
◎ キッチンでは“ながらストレッチ”
お湯を沸かす間に、背中を丸めてふくらはぎを伸ばす「立ち猫ストレッチ」。
背骨がスーッと伸びて、肩のこわばりがゆるむ感覚に、静かに自分の体が応えてくれるのを感じます。
これらは、特別な時間をとらなくてもできる“ながら整え”。
毎日の暮らしにそっと寄り添ってくれる、私なりの「ゆる運動」です。
「〜しなければ」を、そっと手放してみる
私がもうひとつ始めたのが、心をほぐす習慣でした。
以前の私は、
「夕食はちゃんと作らなきゃ」
「掃除をさぼるなんてダメ」
そんな“〜しなければ”に縛られて、自分を責めてばかりいました。
でもある日、「今日はできなくても、大丈夫」と思ってみたんです。
すると不思議と、気持ちも体もふっと軽くなっていきました。
完璧じゃなくていい。できることから、でいい。
それに気づいてからは、自分への声かけも変わりました。
「今日の私も、よくやってるね」
そう言える日が、少しずつ増えていったのです。
更年期は「整えるきっかけ」。ゆるやかに、自分を大切にする時間へ
40代は、家庭や仕事に忙しく、まだまだ“元気でいなきゃ”と頑張ってしまう時期でもあります。
でもだからこそ、「気づいたときに、自分を整える」という視点がとても大事だと感じます。
更年期は、“閉ざされたトンネル”ではありません。
それはむしろ、「自分にやさしくなるための入口」なのだと思います。
小さくても、自分に合った整え方を見つけていけば、心も体もゆるやかに変化に馴染んでいくもの。
“今の私”を肯定することで、ゆらぎを乗り越える
特別なことはしなくていい。
「がんばらない整え方」で十分、自分は変われる――
そんな実感が、私の毎日を軽やかにしてくれました。
「〜しなければ」をひとつ手放すたびに、心と体に余白が生まれる。
更年期というゆらぎのなかでも、自分のリズムで心地よく過ごすことは、きっとできると思うのです。
次回予告
第4回では、更年期のセルフケアとして注目される「大豆イソフラボン」について。
合う人・合わない人の違いや、私自身が感じた変化について、丁寧にお届けします。
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