安心の土地選びをするために。市街化区域と調整区域、その違いと気をつけたいポイント

学び

40代を迎え、暮らしや将来のことをゆっくり考える時間が少しずつ増えてきました。
「実家の土地をどうするか」「将来、相続したらどう活用しようか」―そんな話題が親族との会話に出てくるようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も昨年、宅地建物取引士(宅建士)の資格を取得したことをきっかけに、親族が持つ長年使われていない農地について話し合う機会がありました。
その中で改めて感じたのは、「土地は見た目だけでは判断できない」ということ。

特に注意が必要なのが、市街化区域と市街化調整区域の違い。
この記事では、土地選びで後悔しないために知っておきたい基本と、私たち世代が注意したいポイントをやさしくご紹介します。

市街化区域と市街化調整区域とは?

土地には、都市計画法に基づいて用途が定められており、代表的なものに「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。

市街化区域:住宅地や商業地としての開発が進められる地域。建物の建築がしやすく、水道や道路といったインフラも整っていることが多いです。

市街化調整区域:開発を制限している地域。原則として新しい建物を建てることができず、農地などとして維持されることを目的としています。

私の親族の土地は市街化調整区域にありました。将来的な土地の相続を検討するなかで、農地を宅地にするには「農地転用の許可」が必要なことや、場所によっては「埋蔵文化財の調査」まで求められる可能性があることを知り、驚いたのです。

要注意!こんな不動産業者に気をつけて

土地探しをしていると、市街化調整区域でも「建築できますよ」と案内されることがあります。

実は一部の不動産業者が、市街化調整区域の制限を十分に説明せず、あたかも普通に家が建てられるかのように販売しているケースがあるのです。

たとえば、郊外で静かに暮らせる場所を探していたご家族が、市街化調整区域の土地を購入。しかし、いざ家を建てようとすると、建築許可が下りないことが判明。
しかもその土地は需要も少なく、手放すこともできない、建築することもできないという、どうにもできない状況になってしまった…というお話もあります。

市街化調整区域の中でも一部の例外を除いて、私たち一般の暮らしには不向きなケースが多いため、「建てられる」と言われても必ず確認を。

土地選びで確認すべき4つのポイント

不動産のトラブルを防ぐために、購入前に次の点をチェックしておくと安心です:

① 都市計画区域の確認
その土地が市街化区域なのか、市街化調整区域なのかを必ず調べましょう。

② 農地かどうかの確認と転用許可
農地として登録されている場合、宅地として使うには農地法に基づく転用許可が必要です。

③ 埋蔵文化財包蔵地の有無
土地の下に歴史的な遺構があると、発掘調査が必要になり、時間も費用もかかる可能性があります。

④ 信頼できる不動産業者かどうか
過去の取引実績や説明の丁寧さ、口コミなどを事前に調べ、信頼できる業者か見極めましょう。

暮らしのために、土地を知ることから始めよう

土地選びは、ただの「買い物」ではありません。
その土地でどんな未来を描けるか―家族の時間や、自分らしい暮らしのかたちを考えるうえで、とても大切な選択です。

専門家に相談するのはもちろん大切。でもその前に、私たち自身も最低限の知識を持っておくことで、安心感がぐっと増します。

40代からの私たちにとって、暮らしに寄り添う土地との出会いは、未来への大切な一歩。
どうぞ焦らず、じっくり、心地よく選んでいきましょう。

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