第7章:制度がなくても、力で突破できる。40代の私が感じた“宅建の公平性”
40代で宅建試験に挑戦している私は、受験時点で宅建業に従事しておらず、「5点免除制度」の対象外。最初からこの制度は選べませんでした。
でも、2024年の試験を受けてみて実感したのは、「免除がなくても、十分に勝負できる」ということ。
そしてこの制度がなぜ存在するのか、他の国家資格とは何が違うのかを知ることで、モヤモヤしていた気持ちも前向きに切り替わりました。
そもそも「5点免除制度」とは?
宅建試験には、宅建業に就いている人が講習を受けて修了試験に合格することで、試験の最後の5問(46~50問目)が免除される制度があります。
◎ 満点が50点 → 45点に変更され、
◎ 合格ラインも実質5点分低くなることになります。
◎ 試験時間も120分 → 110分へ短縮。
この制度は「登録講習」と呼ばれる民間講習を修了し、「登録講習修了者証明書」を得ることで初めて使えるもので、宅建業従事者のみが対象です。
なぜ宅建業従事者にだけ優遇があるのか?
実務を経験している人は、すでに宅建業法や実務上の法令に日常的に触れているため、基礎的な内容は現場で身についているという前提があります。
このため、登録講習ではその基礎部分を再確認し、試験ではより専門性の高い問題に集中してもらう—というのが制度の趣旨です。
また、実務者にとっては、勉強時間の確保が難しいという現実もあり、学習機会の公平性を高める目的もあります。
他の国家資格との違いは?
この「一部試験免除制度」は、宅建試験に特有の仕組みです。
たとえば:
● 行政書士試験や社会保険労務士試験などでは、
実務経験があっても本試験での得点免除はありません。
● 医療系資格などでは、「実務後に国家試験を受ける」構造ですが、
やはり一部免除のような制度は極めて稀です。
つまり、実務従事者に“合格への近道”を用意しているのは、宅建の特徴。
裏を返せば、それだけ宅建業界が実務と資格の連携を重視しているとも言えます。
2024年試験:制度がなくても解けた!私のリアル体験
2024年の本試験を実際に受けた私の率直な感想は、
「免除される5問も、決して難問ではなかった」ということ。
とくに【その他の分野】で問われた内容は、
基礎知識+過去問の演習で十分カバー可能でした。
そのため、制度が使えなくても「制度利用者と得点差がついた感じはなかった」
というのがリアルな実感です。
制度がないからこそ意識したこと
制度を使えない私が意識した勉強法は:
◎ 基礎知識を徹底する(宅建業法・法令制限など頻出分野は死守)
◎ 過去問を中心に回す(5点免除対象の問題もあえて解く)
◎ 時間配分の練習を積む(全50問解く前提の体力と集中力)
結果として、免除がなくても45問中40点近く取れ、
「免除を使った人とも同じ土俵に立てた」と実感できました。
制度が使えなくても怖くない。その理由
「自分だけ不利なのでは…?」と感じることもありましたが、
実際に試験を終えてみて思うのは、制度の有無が合否を左右するほどの決定打にはならないということ。
特に近年は、免除対象問題も標準的な難易度が多く、
むしろ「制度なしで本番力を鍛える」ことが自信につながったとも感じています。
制度がなくても、“力”で勝てる試験
宅建試験の「5点免除制度」は、確かに制度上の優遇措置です。
でも、その制度に頼らず、自力で知識を積み上げて合格することで、
自分自身に対する信頼感がしっかり育ちました。
40代という年齢で、制度外という立場で、
それでも「やればできる」と感じられる経験は、
これからの挑戦にもきっとつながっていくと思っています。