第1回:緑内障と東洋医学との出会い
40代で緑内障と診断された私が、鍼灸治療に出会うまで―目のケア体験記①
このシリーズでは、私が40代で緑内障を発症し、鍼灸と東洋医学、そして薬膳を取り入れた治療を通じてどのように向き合ったのかをお伝えします。治療法を試しながら感じた効果や、どのように日常生活に取り入れているのかを紹介し、同じ悩みを抱える方々に少しでも参考になればと思っています。全5回にわたって、治療の進展と心身の変化を追いながら、私の体験談をお届けしますので、どうぞお付き合いください。
緑内障の宣告と不安
2023年12月、私は眼科で緑内障の初期診断を受けました。ここ最近、目の疲れや額の痛みが続いていて、その症状を軽視せずに眼科を受診したことがきっかけでした。視界がぼやけることはありませんでしたが、電車の電光掲示板が見にくいと感じるようになったことが気になっていました。これは普段の生活において、特に目を使うシーンで不安に思うことが多かったため、検査を受けてみることにしたのです。診断結果は衝撃的で、緑内障と聞かされた時の不安や驚きは今でも鮮明に覚えています。
緑内障は、眼圧が高くなり視神経が圧迫され、視力が低下する病気です。進行が緩やかであるため、早期に気づきにくいものの、放置すると視力が失われる可能性が高い病気です。診断を受けた時、私の眼圧はギリギリの状態だったため、すぐに眼圧を下げる目薬が処方を提案されました。
その時点では、眼科での治療が最善だと思っていたものの、「本当にこれだけでいいのか?」という疑念がどうしても払拭できませんでした。薬での治療は目の症状を一時的に抑えることができても、根本的な解決にはならないのではないかという不安がありました。
セカンドオピニオンと新たなアプローチの模索
その後、私はセカンドオピニオンを求めて、東京都内で注目の眼科トップ10にランクインしている眼科を受診しました。専門医による診察を受けることで少し安心感は得られましたが、それでも心の中では「本当にこれでよいのだろうか?」という疑念が晴れませんでした。
同時に、私は東洋医学に関する情報も調べ始めました。インターネットでいろいろな治療法を探しているうちに、鍼灸や薬膳が目の健康に役立つ可能性があるという情報を見つけ、興味を持つようになったのです。もちろん、緑内障に対する直接的な効果を証明するものではありませんでしたが、東洋医学のアプローチが体調や健康に与える影響について知ることができ、西洋医学以外の選択肢を試してみる価値があるかもしれないと感じました。
そこで、私は鍼灸院を探し、たまたま目にしたある鍼灸院のホームページを訪れました。これまで緑内障に関する実績があると明記されているわけではありませんでしたが、「鍼灸がどのように身体全体の調子を整え、健康に寄与するのか」という考え方に魅力を感じ、すぐにその鍼灸師にメッセージを送りました。
驚いたことに、その鍼灸師からはすぐに返信があり、鍼灸治療を開始することになったのです。
鍼灸師との出会いと驚きのエピソード
私が出会った鍼灸師は、中国出身で日本に帰化した方でした。中国では緑内障を「青光眼」と呼ぶこと、また中国伝統医学の視点から「眼圧ではなく、血管の問題に起因する」という説が有効だと聞かされ、最初は少し驚きました。
鍼灸師が私に語った話の中でも特に印象的だったのは、網膜剥離を自分自身で治療したという話です。鍼灸師自身が数年前に網膜剥離を患い、医師からは手術を進められたものの、鍼灸治療を通じて回復し、今では眼科医からも「網膜剥離の跡すらない」と言われるほどの回復を遂げたという話には衝撃を受けました。
その話を聞き、「もし鍼灸で本当に目の健康を改善できるなら、試してみる価値があるかもしれない」と感じました。鍼灸師は、「できる限りのことをやってみましょう」と言ってくれたので、私は薬に頼らず、まずは鍼灸治療に専念することに決めました。
治療方針と最初の決断
鍼灸師は私に、「緑内障は目だけの問題ではなく、全身のバランスが影響している」と話しました。そのため、最初は目の周りから全身のバランスを整える施術を行うことになりました。
その後、私は週に一度、鍼灸治療を受けることを決意し、治療を開始しました。最初の半年間は、鍼灸を通じて、目の健康のみならず、体全体のバランスを整えることを目標に治療が進められました。
最初は目の周りのツボを中心に、全身のエネルギーの流れを整える施術が行われました。徐々に体がリラックスし、精神的にも落ち着いてきたことを実感しました。
次回予告
次回の記事では、実際に受けた鍼灸治療の内容や、その効果について詳しくお話しします。治療を始めてから、目にどんな変化が現れたのか、体調の改善や心の変化についても紹介していきます。