40代になって、ふと「もうひとり、家族を迎えたいな」と思うことがあります。
それは、初めての妊活をはじめる方もいれば、子育ての時間を重ねた中で「もう一人を迎えたい」と感じた方もいるかもしれません。
あるいは、「出会いが今だった」からこそ、これから家族をつくっていこうと思う方も。
どんなきっかけであっても、その思いはとても自然で、やさしいもの。
誰かと比べる必要なんてなくて、その願いが生まれた今というタイミングこそが、自分にとってのちょうどいいときなのだと思います。
でも、共通して言えるのは、この願いがただの願いではなく、自分自身の人生と向き合って出した大切な答えだということ。
そんな想いを大切にしながら、心と体を整え、必要なときには医療とも丁寧につながっていくことこそが、妊活の第一歩だと感じています。
40代妊活の現実と、向き合うべきこと
40代は卵子の数と質が低下し、自然妊娠率は40~44歳で1周期あたり約5%、45歳以上では1%以下と急激に下がります。
一方、「1年かけて36%は妊娠できる」というデータもあるため、可能性がゼロではないことも確かです。
ただし、流産率も高くなり、例えば40歳では妊娠後の流産率は30~40%に上るという実態があります。また、高齢出産に伴うトラブル(妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病など)や胎児の染色体異常リスクも高まるため、安心して前に進むためには知っておきたい現実です。
心と体を整える、ていねいなステップ
◎ そんな現実を知ったうえで、私たちがまずできることは、自分自身を大切にする暮らしを整えること。
◎ 栄養バランスの整った食事…葉酸400µgの摂取を意識に
◎ 適度な運動習慣…血流を促し、子宮や卵巣にもやさしく
◎ 質の良い睡眠・ストレス対策…ホルモンバランスの安定にもつながります
こうした土台を整えることは、「自分自身が心地よく生きるため」の時間でもあります。
必要なら医療とも調和して進む選択
早めに産婦人科に相談し、タイミング法や人工授精のほか、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)といった生殖補助医療も視野に入れるのが現代の合理的な選択です。
生殖医療の妊娠率は、40歳で体外受精の妊娠率が26%、45歳では6%ほどと報告されています 。これには「1回のチャンスでも確率を高める工夫」が活かされています。
支援制度や助成金についても知っておく
2022年から不妊治療に保険が適用され、治療開始時に42歳未満であれば費用の負担が軽減されます。
また、自治体によっては独自の支援があり、早めに確認して計画することが、費用の負担を和らげる鍵になります。
心は焦らず、でも確かな希望を育てる
40代の妊活を進めるには、知ること・整えること・つながることが大切です。
「早め・計画的なステップ」と、「自分らしく寄り添うペース」、このバランスを大切に。
小さな不安にも、静かな希望にも、そっと寄り添いながら、自分らしい妊活を進めていけますように。