週末の朝、空を見て「今日は歩こう」と思えた日は、ちょっとだけ早起きして外に出ます。
向かうのは、区をまたいだ先にある、私のお気に入りの神社。
スマホの地図も、音楽もなし。
ただ自分の足でゆっくり歩いて、道端の草木や空気の匂いに気づきながら進んでいくと、
自然と気持ちがほどけていくのを感じます。
神社という“心のよりどころ”
その神社は、静かな住宅街にぽつんと佇む、こぢんまりとした場所。
特別に有名なわけではないけれど、私にとっては心が整う“よりどころ”のような存在です。
訪れるたびに、手を合わせて深呼吸をするだけ。
願いごとをするというより、「また来られてよかったな」と、静かに自分に向き合う時間です。
実は私、毎年春分の日に、この神社でマガ玉付きのお守りを買い直しています。
春の始まりに、気持ちを新しく整えるための小さな儀式。
そのお守りをバッグやポーチに忍ばせておくと、不思議と「大丈夫」と思えるんです。
そして、ときどき偶然お祭りに出くわすこともあります。
笛の音が聞こえてきたり、提灯が揺れていたり。
いつもは静かな境内がにぎわい、土地のエネルギーに包まれるような感覚に、胸がふわっとあたたかくなります。
散歩の途中に立ち寄る、カフェのひと息
神社をあとにしたあとは、少し足をのばしてカフェへ。
チェーン店に入ることもありますが、
最近は「知らないカフェを見つけること」そのものが、楽しみになっています。
細い路地を曲がった先で見つけた、小さな個人店。
古道具の椅子や、やさしい照明に包まれた店内に座ってコーヒーを飲むと、
“日常の中の特別な時間”がそこにある気がするんです。
香ばしい香りとカップの温もり。
ただそれだけで、自分を少しだけ大切にできたような気持ちになります。
帰り道は、静かな細道を選ぶ
帰り道は気分次第。
バス通りの並木道も好きですが、
その日の気分によって、静かな住宅街の細い道を通って帰るのも、私の定番です。
猫が歩いていたり、誰かの庭先に花が咲いていたり。
暮らしの気配が感じられるその道には、どこか安心感があって、
“人とすれ違うだけのにぎわい”ではない、やわらかい時間が流れています。
こうして歩いていると、週の疲れや小さな心のざわつきが
少しずつ遠ざかっていくのを感じます。
歩くことは、私を“今日の私”に戻してくれる
散歩は、運動のためというよりも、「整えるための旅」。
景色の中に身を置くことで、余計なものがふわっとほどけていきます。
神社で深呼吸して、カフェで一息ついて、
誰もいない道をのんびり歩く。
どれも大げさなことではないけれど、
この積み重ねが、40代の私の心と体をゆっくりと整えてくれるのです。
「また来よう」
そう思いながら、私は今日も歩いて帰ります。