40代に入ってから、体調や気分のちょっとした変化に気づくことが増えてきました。
疲れやすさ、肌の乾燥、夜の眠りが浅い ―。
「年齢のせい」と片づけたくはないけれど、確かに以前とは違う。
そんな日々の中で、食べることを「整える」時間に変えてくれるのが、薬膳の考え方です。
今回は、身近でありながら奥深い食材、「ごま」に注目します。
白と黒で、こんなに違う
スーパーに並ぶ、白ごまと黒ごま。
「色が違うだけでしょう?」
私も、長い間そう思っていました。
でも薬膳では、この2つはまったく違う役割を持っています。
白ごまは、潤す。
黒ごまは、養う。
そして、40代の体には、どちらも必要なのです。
この記事の内容
| 章 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 1. 白ごま ― 潤いを補う | 乾燥や便秘が気になる日に |
| 2. 黒ごま ― 加齢に寄り添う | 白髪・だるさ・眠りの浅さに |
| 3. 栄養素で見る、ごまの力 | セサミン、ビタミンE、鉄分 |
| 4. 食べ方で、吸収率が変わる | そのまま・すり・練り |
| 5. 種類と選び方 | 金ごま、洗いごま、いりごま |
| 6. 適量と、保存の注意 | 大さじ1〜2が目安 |
| 7. 季節と体調で、使い分ける | 薬膳という視点 |
1. 白ごま ― 潤いを補い、乾燥や便秘ケアに
薬膳では、白ごまは「肺・脾・大腸」に作用し、体に潤いを与えるとされています。
40代になると、肌や髪、喉の乾燥が気になる方も多いはず。
便秘がちだったり、季節の変わり目で肌がカサついたり ―。
そんな時、白ごまは自然なサポートになります。
なぜ「潤す」のか
東洋医学では、「肺」が皮膚や粘膜と深く関わると考えられています。
秋から冬にかけて、空気が乾燥する季節。喉がイガイガする、肌が粉をふく ― こうした変化は、「肺が乾いている」サインとされます。
白ごまは、この乾きをやわらげる食材として、古くから使われてきました。
また、「大腸」への作用があるため、便通を助けるとも言われています。
私のおすすめ:白ごまの白和え
白ごまペーストで作る白和えが、私の定番です。
豆腐と白ごまをなめらかに混ぜて、小松菜やにんじんを和えるだけ。
体も心もやわらかくほぐれていく感覚があり、夜のリラックスタイムにぴったりです。
2. 黒ごま ― アンチエイジングと腎のケアに
一方、黒ごまは「肝・腎」に働きかけ、加齢に伴う変化をゆるやかに整えてくれる食材です。
例えば ―
- 白髪
- 足腰のだるさ
- 疲れが抜けにくい
- 不眠気味
こうした不調が気になり始めたら、黒ごまを意識して取り入れてみてください。
「腎」が、老化に関わる
東洋医学では、「腎」は生命力の源とされ、骨・髪・耳・老化と深く関わると考えられています。
「髪は腎の華」という言葉があるほど、髪の状態は腎の状態を映すとされてきました。
そして、黒い食材は腎を養う ― これが、薬膳の基本的な考え方です。
黒ごま、黒豆、黒きくらげ、ひじき ―。
40代からは、意識して「黒」を食卓にというのは、そういう理由からです。
私の習慣:朝のスムージーに
黒ごまは外皮が硬く、そのままだと吸収されにくいため、すりごややペースト状で摂るのが理想的。
私の習慣は、朝のスムージーに黒ごまペーストをひとさじ。
バナナや豆乳と合わせるとまろやかで香ばしく、朝のエネルギーチャージに最適です。
3. 栄養素で見る、ごまの力
薬膳の視点だけでなく、栄養面でもごまは優秀な食材です。
ごまに含まれる、主な栄養素
◎ セサミン(ゴマリグナン)
ごま特有の成分で、強い抗酸化作用があるとされています。
肝臓の働きを助けるとも言われ、お酒を飲む方にも注目されています。
◎ ビタミンE
抗酸化ビタミンの代表格。血行を促す働きがあるとされ、冷えが気になる方にも。
セサミンと一緒に摂ることで、ビタミンEが体内で働きやすくなるとも言われています。
◎ カルシウム
ごま100gあたり約1,200mgと、実は牛乳より豊富です。
ただし、吸収率は牛乳より低いとされているので、過度な期待はしないほうがよいでしょう。
◎ 鉄分
貧血が気になる40代女性にはうれしい栄養素。
ビタミンCと一緒に摂ると、吸収が高まるとされています。
◎ 良質な脂質
ごまの約半分は脂質です。
主成分はリノール酸とオレイン酸。セサミンが酸化を防ぐため、油の中では比較的安定しています。
白と黒で、栄養は違う?
基本的な栄養素は、ほぼ同じとされています。
違いは、黒ごまの外皮に含まれる「アントシアニン」という色素成分。
これはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるとされています。
「黒ごまのほうがアンチエイジング向き」と言われるのは、この違いからです。
※ただし、劇的な差ではありません。 どちらも栄養価は高いので、好みや料理に合わせて選ぶのがいちばんです。
4. 食べ方で、吸収率が変わる
ここが、いちばん大切なポイントかもしれません。
ごまは、食べ方によって吸収率がまったく違います。
そのままでは、ほぼ吸収されない
ごまの粒は、硬い外皮に覆われています。
そのまま食べても、噛み砕けずに、体を通過してしまうことが多いのです。
「ごまを食べているのに、効果を感じない」
その理由は、ここにあるかもしれません。
形状ごとの、吸収のしやすさ
| 形状 | 吸収率 | 特徴 |
|---|---|---|
| いりごま(そのまま) | 低い | 香りは良いが、外皮が壊れていない |
| すりごま | 高い | 外皮が砕けて、栄養が吸収されやすい |
| 練りごま(ペースト) | とても高い | すりつぶされ、いちばん吸収しやすい |
| ごま油 | ― | 脂溶性成分は摂れるが、食物繊維やミネラルは残らない |
おすすめは「すりごま」か「練りごま」
手軽さなら、すりごま。
料理に振りかけるだけで使えます。
しっかり摂りたいなら、練りごま(ペースト)。
スムージーやヨーグルトに混ぜやすく、吸収率も高いです。
※すりごまは酸化しやすいので、開封後は冷蔵保存を。できれば1か月程度で使い切りましょう。
いりごまを使うときのコツ
いりごまを使う場合は、食べる直前に指ですりつぶすか、すり鉢で軽くするだけでも変わります。
「ひねりごま」といって、指先でひねりながら振りかける方法もあります。
香りが立ち、吸収率も上がる ― 昔からの知恵です。
5. 種類と選び方
スーパーには、いろいろなごまが並んでいます。
違いを知っておくと、選ぶのが楽しくなります。
色による違い
◎ 白ごま
もっとも一般的。 クセが少なく、どんな料理にも合います。
◎ 黒ごま
外皮にアントシアニンを含み、風味がやや強め。和菓子やごま塩にも。
◎ 金ごま(黄ごま)
香りとコクが最も豊かとされ、高級品として扱われます。
懐石料理や、素材の味を活かしたい料理に。
加工による違い
◎ 洗いごま
洗って乾燥させただけの状態。自分で炒って使う必要があります。
炒りたての香りは格別ですが、手間はかかります。
◎ いりごま
炒った状態で売られているもの。すぐ使えて便利です。
◎ すりごま
炒ってすりつぶしたもの。吸収率が高く、使いやすい。
◎ 練りごま(ペースト)
すりつぶしてペースト状にしたもの。濃厚で、料理の幅が広がります。
選ぶときのポイント
◎ 原材料がシンプルか
練りごまの場合、「ごま」だけのものを選ぶのがおすすめです。
砂糖や添加物が入っているものもあります。
◎ 産地の表示があるか
国産のごまは、流通量が非常に少なく、ほとんどが輸入品です。
産地が明記されているものは、品質管理がしっかりしていることが多いです。
◎ 少量サイズを選ぶ
ごまは酸化しやすいので、使い切れるサイズを選ぶほうが結果的に無駄がありません。
6. 適量と、保存の注意
1日の目安は、大さじ1〜2
ごまは栄養価が高い分、脂質も多い食材です。
一般的には、1日大さじ1〜2杯(約10〜20g)程度が目安とされています。
「体にいいから」とたくさん摂ればいい、というものではありません。
大さじ1で、約60kcal。少量でもエネルギーがあります。
保存は、冷蔵か冷暗所で
ごまは酸化しやすい食材です。
◎ いりごま・すりごま
開封後は冷蔵庫へ。 特にすりごまは酸化が早いので、1か月程度で使い切りましょう。
◎ 練りごま(ペースト)
開封後は冷蔵保存。 分離することがありますが、混ぜれば問題ありません。
◎ 洗いごま
冷暗所で保存し、使う分だけ炒るのが理想です。
アレルギーの注意
ごまは、アレルギーを起こすことがある食材です。
日本では「特定原材料に準ずるもの」として、表示が推奨されています。
初めてお子さんに与えるときや、アレルギー体質の方は、少量から試してください。
口の中のかゆみ、じんましん、腹痛などの症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、医療機関にご相談ください。
7. 季節と体調で、使い分ける
薬膳では、季節や体調に合わせて食材を選ぶのが基本です。
白と黒の、使い分け
◎ 乾燥しやすい秋冬や、便秘気味のときは「白ごま」
肺と大腸を潤し、乾きをやわらげます。
◎ 疲れが溜まりやすい時期、年齢による変化を感じるときは「黒ごま」
肝と腎を養い、生命力を支えます。
私の、季節ごとの取り入れ方
◎ 春 ― 白ごまの白和えに、菜の花や春野菜を
◎ 夏 ― 冷やし中華や冷奴に、すりごまをたっぷり
◎ 秋 ― 乾燥が気になり始めたら、白ごまペーストを
◎ 冬 ― 黒ごまペーストを、温かい豆乳に溶かして
「今日はどちらを使おうか」と考える時間が、私にとっての小さな薬膳です。
まとめ ― 整えるために、食べる
7つの視点をめぐってきました。
白ごまは潤し(1章)、黒ごまは養う(2章)。 栄養素は豊富で(3章)、すりごまか練りごまが吸収されやすい(4章)。 種類を知り(5章)、適量と保存に気をつけ(6章)、季節と体調で使い分ける(7章)。
ただ食べるだけでなく、整えるために食べる ―。
そんな薬膳の考え方を、40代の今だからこそ大切にしたいと感じています。
完璧でなくていい
毎日きっちり摂る必要はありません。
「今日は疲れているから黒ごまを」「乾燥が気になるから白ごまを」
そのくらいのゆるやかな意識で十分です。
日々の私時間に、ごまの香りと栄養をひとさじ。
朝の黒ごまスムージー、夜の白ごま白和え。
そんな小さな習慣が、自分をいたわる力になっていくはずです。
※本記事は一般的な情報のご紹介です。ごまアレルギーのある方は摂取を避けてください。 持病のある方、薬を服用中の方は、食生活の変更について医師にご相談ください。
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