40代になると、仕事や家庭、人間関係においてこれまでにない壁に直面することが増えてきます。失敗や変化に戸惑い、自信をなくすこともあるかもしれません。
そんなときこそ、私たちを励ましてくれる存在がいます。それが、日本神話に登場する「スサノオ大神(須佐之男命)」です。
前回は、アマテラス大神から「内なる光を見つける」ことの大切さを学びました。
今回はその弟神であるスサノオ大神の物語から、挑戦と再生の力、そして「失敗してもいい」という大切な視点を受け取っていきましょう。
スサノオ大神とは?─混乱から英雄へ
スサノオ大神は、日本神話に登場する海の神であり、アマテラス大神の弟としても知られています。荒々しく感情的な一面を持ち、天界での問題行動が原因で地上に追放されるという波乱のスタートを切ります。
しかしその後、彼は地上で「ヤマタノオロチ」という怪物を退治し、人々を救う英雄へと成長。
この物語は、一度の失敗や混乱が終わりではなく、新たな自分に生まれ変わるためのきっかけになることを教えてくれます。
神話からのメッセージ:「失敗」は再生の始まり
スサノオ大神の行動は、初めは破天荒で理解されないものでした。でも、そこには感情の純粋さと、世界とどう関わるかを模索する姿がありました。
彼が自らの過ちを経て、地上で人々の命を守る存在へと変化していく様子は、私たちにも多くの気づきを与えてくれます。
特に40代は、人生の“第二章”が始まる時期。これまでのやり方が通用しなかったり、思わぬ挫折を経験したりすることもあるでしょう。
でもそれは、新しいステージへと進むための「通過点」なのだと、スサノオ大神の物語は語りかけてくれます。
日常に活かす「再生」のヒント
では、スサノオ大神のエッセンスを、日々の暮らしにどう活かしていけるでしょうか?
① 挑戦を避けない
小さなことで構いません。新しい料理を試す、苦手な人と話してみる、気になる本を手に取る。
「いつもと違うこと」への挑戦が、自分の世界を広げる第一歩になります。
② 失敗を“経験”に変える
ミスや挫折を「ダメな自分」として片づけず、「今の自分に必要な学びだった」と受け止めてみましょう。
スサノオ大神も、天界から追放されたあとに本当の自分を見出しました。
③ “感情”を押さえすぎない
感情を抑え込まず、丁寧に感じきることも大切です。日記に書く、声に出して気持ちを整理するなど、自分の内側に優しく耳を傾ける習慣を。
スサノオ的「再生」の習慣
私が実践している、小さな“再生の習慣”をご紹介します。
◎ 夜、今日うまくいかなかったことを一つ書き出す
◎ そこから「何に気づけたか?」をセットで記録する
◎ 最後に「また明日、やってみよう」と締めくくる
これはまさに、神話の中でスサノオが“混乱”から“守り”へと変わっていったプロセスそのもの。
一日の終わりに気持ちを整理することで、明日へのリセットができるようになります。
挑戦の先に、再生がある
スサノオ大神の物語は、失敗や混乱の中にこそ、再生の芽があることを教えてくれます。
私たちが「もっと穏やかでいなければ」「もっと完璧でいなければ」と思い詰めるときこそ、
スサノオのように“荒ぶっても、やり直せる”という視点は、大きな支えになります。
40代は、人生の深みを味わいながら、新しい自分を迎える大切な時期。
「挑戦しても大丈夫」「失敗は再生のスタート地点」―そう信じることで、
心はふたたび柔らかく、自由になります。
今日もまた、自分自身の“再生”をゆるやかに楽しむ一日を過ごせますように。