「まだ大丈夫」そう思う前に
40代から始めたい、心の準備と小さな行動
40代になり、自分や家族の健康をより意識するようになりました。
親の顔を見て「少し足元が危なっかしいな」「最近、物忘れが増えてきたかも」と感じることも増えた気がします。
介護は、いつか必要になるものかもしれない。
そう頭では分かっていても、実際には「何から始めればいいか分からない」という方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、介護が初めてでも迷わないように、やさしい言葉で介護の準備ステップをまとめました。
Step1|まずは「できること・困っていること」を見つめる
はじめに大切なのは、本人の生活状況を見つめ直すことです。
● 食事や入浴は一人でできる?
● 転びやすくなっていない?
● 病院へ一人で通える?
ご本人の意見を尊重しながら、家族で話し合い、できること・困っていることを一緒に整理していきましょう。
Step2|地域の「介護の窓口」に相談してみる
「どこに相談すればいいの?」と思ったら、
お住まいの市区町村の介護保険課、または地域包括支援センターへ。
関連リンク⇒厚生労働省HP(福祉・介護)地域包括ケアシステム
相談は、本人でなくても家族から可能です。
電話一本でも対応してもらえますので、「ちょっと聞いてみる」から始めてみましょう。
Step3|申請手続きを進める
介護サービスを利用するには、「要介護認定の申請」が必要です。
【準備するもの】
・介護保険申請書
・被保険者証(介護保険証)
・本人確認書類(運転免許証など)
提出は市役所の窓口、または郵送でも可能です。代理申請や委任状による手続きもできるので、家族がサポートできます。
Step4|認定調査と医師の意見
申請後、自治体の調査員(ケアマネージャー等)がご自宅を訪問し、日常生活の様子をヒアリングします。
また、かかりつけ医に「主治医意見書」の作成を依頼する必要がありますが、これは通常、自治体が代行してくれるので安心です。
Step5|要介護度の認定と通知
ヒアリング結果と医師の意見をもとに、「要支援1〜2」または「要介護1〜5」の認定が出されます。
通知は郵送で届きます。申請からおおよそ30日以内が目安です。
Step6|ケアプランの作成とサービスの選択
認定後は、介護サービスを具体的に決めるために、ケアプラン(介護サービス計画)を作成します。
◆ 要介護1~5の方 → 居宅介護支援事業所のケアマネージャーが対応
◆ 要支援1~2の方 → 地域包括支援センターが支援
必要に応じて、デイサービス・訪問介護・福祉用具レンタルなどを選び、いよいよサービスがスタートします。
地域によってサポート体制に差があることも
介護制度自体は全国共通ですが、実際に使えるサービスや支援の充実度は地域によって異なることがあります。
都市部ではサービスの種類が多い一方、地方では選択肢が限られている場合も。
ですので、「うちの地域ではどうなっているのか」を調べるには、最寄りの地域包括支援センターへの相談が一番確実です。
「今じゃないかも」でも、知っておくだけで安心
介護は突然始まることも少なくありません。
けれど、少しだけ知っておくことで、いざという時に落ち着いて動けるようになります。
そして何より、親の老いを“見て見ぬふり”するのではなく、やさしく向き合うことが、自分自身の心の準備にもなると感じています。
40代の私たちができることは、「備える」ことよりも「知っておく」こと。
大切な家族のために、そして自分の未来のために—。
そんな気持ちで、今日も静かに暮らしを整えていきたいと思っています。