40代で資格試験に挑戦する。
学生の頃とは違い、仕事や家族、自分の体調とも向き合いながら進める学びは、決して簡単なものではありませんでした。
それでも私は、“今の私にできるやり方”で、少しずつ学び続ける時間を重ねてきました。
今回は、その挑戦の締めくくりとして、宅建試験を終えた今の気持ちと、合格を超えたところで感じた「私らしい学び」の価値について綴ってみたいと思います。
第11章:試験が終わっても続く、心地よい暮らしのための“学びの実感”
小さくても続けた「私時間」の積み重ね
家事や仕事の合間に、スマホで宅建アプリを1問解く。
コーヒーを飲みながら、コピーした過去問を眺める。
移動中やスキマ時間に、替え歌で宅建のキーワードを覚える──。
そんな風に、「特別な時間」にしない工夫で、勉強を暮らしに自然に溶け込ませてきました。
毎日触れることで、気づけば学びが私の日常の一部に。
「完璧を目指さない」ことで、プレッシャーなく続けることができました。
手応えよりも、心に残ったのは「感謝」
試験当日、予想外の問題や独特の緊張感の中で、「できた」と言えるほどの手応えは正直ありませんでした。
けれど、試験会場を出たとき、私の心に広がっていたのは不思議なほど「悔しさ」ではなく、「感謝」でした。
この年齢で、またこんなふうに何かに一生懸命になれたこと。
忘れかけていた「学ぶ楽しさ」と再会できたこと。
それだけでも、この挑戦には十分すぎるほどの意味があったと感じています。
40代だからこそ見えた「自分と向き合う学び」
勉強を通して実感したのは、「学ぶこと」は心のリズムを整えてくれるということ。
慌ただしい毎日でも、ほんの少し「自分だけの時間」があることで、気持ちが整ったり、自信が芽生えたりする。
資格取得という明確なゴールがあるからこそ、「今の自分」と「これからの自分」を見つめる時間にもなりました。
勉強することで、自然と暮らし全体も整っていく──そんな循環を実感できたのも、40代の今だからこそかもしれません。
点数ではなく、「自分を知る」ことが収穫に
模試や過去問での点数に一喜一憂するのではなく、「何が分かっていて、何が分からなかったか」を知る時間にするよう意識しました。
取りやすい分野から確実に得点する工夫、自分専用の「覚えるノート」での復習、手帳への記録…。
すべてが、「今の私にちょうどいいやり方」で学びを支えてくれました。
合格はゴールではなく、「新しい始まり」
今回の資格挑戦の目的は、母の仕事を将来的にサポートしたいという思いからでした。
でも、実際に勉強を進めていく中で、それだけではない「私自身の軸」のようなものが見えてきた気がします。
結果がどうであれ、「ここまでやりきれた」という事実は、私にとって大きな自信。
そして、“また何かを学びたい”という気持ちが、すでに私の中で新たに芽生えています。
40代の資格挑戦は「自分を整える」時間かもしれない
40代になってからの資格挑戦は、決して「キャリアのため」だけではなく、「自分を整えるための学び直し」のようにも感じました。
合格すればもちろん嬉しい。
でも、それ以上に、この挑戦の中で得た日々の積み重ねや、心の変化が何よりも価値のある財産になっています。
まずは小さく、一歩から
これまで10回以上にわたり綴ってきた資格挑戦の記録も、今回でひと区切りです。
もし今、「やってみたい」「でも時間がない」と迷っている方がいたら──
「今日、5分だけ机に向かってみる」ことから始めてみてください。
その一歩は、思っている以上に、日々の心と暮らしを心地よく変えてくれるかもしれません。