「西」という漢字が、一文字で持つ静かな存在感。
私は、この文字を見るたびに、どこか心が落ち着くような感覚に包まれます。
そんな「西成分」を感じる場所に、私が愛する 西オワフ(ハワイ) と 西伊豆(静岡県) があります。地理や文化が異なるふたつの海辺に、心が静かにほどけるような共通する魅力があることに、気づいたのです。
西の海がくれる、静寂と絶景
西オワフのワイアナエ山脈と海に囲まれた雄大な海岸線、そして西伊豆の駿河湾に臨む断崖や奇岩――どちらも「西側」の海は、広がりと静けさが同居する美しさがあります。西へ沈む夕日は、自然の絵画のように心に刻まれます。40代になると、この穏やかな絶景に、ただただ見とれることこそが至福の時間になりました。
“整う”ためのプチ非日常
西オワフは高級リゾートや静かな住宅地が整備され、心がざわついた日常を忘れさせてくれる場所。一方、西伊豆は温泉宿、ダイビングスポット、昔ながらの漁村の佇まいが、その土地のリズムに寄り添うような安心感をもたらしてくれます。どちらも、ほどよく整えられた非日常が、自分の感覚をリセットする場になるのです。
西の海がくれる、自然との対話
どちらの西にも、海との対話が豊かです。西オワフでは、エレクトリックビーチやヨコハマベイで、色とりどりの魚やイルカと泳ぐアクティビティが楽しめます。西伊豆では、透き通る駿河湾でシュノーケリングやダイビング、穏やかな磯遊びも。海の“声”に耳をすませる時間が、心をほどいてくれるのです。
西の風は、時間の経過も優しくしてくれる
西オワフはホノルルから車で1時間ほどながら、たどり着くと時の流れがふっとゆるむ感覚に包まれます。西伊豆も、静岡や三島からのアクセスがよくても、着いた途端に日常の喧騒が遠くなるようです。まるで「西の風」が、時間を優しくなぞってくれるかのように。
西に抱かれる、自分を整える旅
「西」の響きには、自然、静寂、優しさ、そして少しの冒険が込められている気がします。
地理や文化に違いはあれど、西オワフの大らかな海と西伊豆の静かな海岸線に共通するのは、「自分に還る居場所」があること。
40代になってから、旅に求めるものは変わりました。華やかさよりも「整い」、刺激よりも「癒し」。
だからこそ、「西」がくれる自然と時間と心地よさに、すっと身を委ねられるのです。
海の向こうでも、海のここでも。西の海を前に、私はいつも、自分に戻ることができると感じます。