40代に入り、家事の中でいちばん「疲れるな」と感じるのが、意外にもキッチンに立つ時間でした。
料理は嫌いではないし、家族が「おいしい」と言ってくれるのも嬉しい。けれど、毎日のことだからこそ、ほんの少しのストレスや動きに、体が正直に反応するようになってきたんです。
ある日、ふと気づいたことがありました。
「これ、毎回わざわざ引き出しを開けて、しゃがんで、取り出して…ってしてるけど、もっとラクにならないのかな?」
そうして私が出会ったのが、“ワンアクション”というキーワードでした。
ワンアクションって、何?
ワンアクションとは、その名の通り「1つの動作で完了する」工夫のこと。
たとえば、こんな動きがワンアクションです:
◎ 引き出しを開けずにサッと道具が取れる
◎ 移動しないで必要な物が手に届く
◎ 戻す場所が決まっていて迷わない
40代になってから特に感じる「しゃがむのが面倒」「同じ場所を何度も行き来するのがしんどい」といった体の小さなサインを、丁寧に受け取ってあげる。
そんな暮らしのヒントになるのが、ワンアクションの仕組みづくりです。
私のキッチンをラクにした3つのワンアクション工夫
①「よく使う道具は見せる収納」に切り替えた
以前は、菜箸やトングなどはすべて引き出しにしまっていました。でも、料理中に手を止めてしゃがんで…という動作が、地味にストレスに。
そこで、出しっぱなしでも見た目が気にならない道具だけを、吊るす収納に変更。
無印や100均のマグネットフック、立てるタイプのツールスタンドがとても便利で、今では使ったらすぐ戻すのも習慣に。ラクに使えて片付けまでが一動作、これがワンアクションの気持ちよさなんだと実感しました。
②「ゴミ袋・ラップの収納は“腰から上”に」
ゴミ袋やラップ、ジッパーバッグなどは、なぜかシンク下にしまいがち。でも、これって毎回かがむ動作が必要で、地味に腰に負担がかかります。
私はこれを、コンロ横の引き出し(腰より上)に移動。さらにラップは立てて収納し、片手でサッと取れるように。
たったこれだけのことで、料理中のテンポがスムーズになり、調理中のイライラも激減しました。
③「キッチンワゴンを“動かさない”収納に」
動かせるのが便利で購入したキッチンワゴン。でも、実際には頻繁に動かすことはなく、“私の定位置”に固定して、よく使うストックや調味料をまとめて収納することに。
動かさないワゴンは、逆に“その場で完結する”収納として大活躍。
座っても立っても取り出しやすく、「何かを探す」時間がゼロに。これもワンアクションで得た心地よさでした。
ワンアクションがもたらすのは「自分へのやさしさ」
ワンアクションの考え方は、時短や効率のためだけではありません。
「私が疲れないように」「私がラクでいられるように」と、自分の体や暮らしに、やさしい視点を持つことでもあるのです。
私たちは毎日、キッチンに立ちます。
だからこそ、その時間が快適であることは、心の余裕や、家族との穏やかな時間を生み出すベースになる。そんな風に感じています。
少しでも「使いにくいな」と感じる場所があれば、ワンアクションで済む仕組みに変えてみる。
それだけで、あなたのキッチンはもっと“私らしい心地よさ”に近づくかもしれません。