庭で芽吹く小さな緑に気づけるようになったのは、40代になってから。
日々の忙しさのなかで、ふと立ち止まり、植物の成長に目を向ける——そんな時間が、私にとってかけがえのない“私時間”になりました。
そんな庭の時間の中で出会ったのが、「コンパニオンプランツ」という考え方。
植物たちが、それぞれの得意を活かしながら、自然と助け合って育つ姿は、まるで人間関係のよう。今の私の暮らしに、そっとやさしい気づきをくれたのです。
コンパニオンプランツってなに?
「コンパニオンプランツ」とは、一緒に植えるとお互いによい影響を与える植物の組み合わせのこと。
家庭菜園をしている方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
たとえば─
◎ トマト × バジル:バジルの香りが害虫を遠ざけ、トマトの風味も引き立ちます
◎ マリーゴールド × 野菜全般:土壌に潜む害虫(センチュウ)を遠ざけてくれる頼れる存在
◎ キュウリ × ナスタチウム:ナスタチウムが害虫を引き寄せて守ってくれつつ、花の彩りも楽しめます
このように、それぞれの植物が得意なことで相手をサポートする姿に、思わず胸が温かくなります。
庭に立つたびに、「支え合うって、こういうことかもしれない」と気づかされるのです。
植物から教わる、私たちの“共に育つ暮らし”
40代になると、心も体も、これまでとは少しずつ変化してきます。
一人で抱え込むのではなく、「支え合う」という視点があるだけで、暮らしがぐっと軽やかになることも。
コンパニオンプランツのように、私たちも互いの違いを認め合い、得意を活かし合うことができたら─
そんなことを、植物たちが教えてくれます。
暮らしに取り入れたい3つのヒント
◎ 選ぶ力を養う
植物には相性があるように、私たちの暮らしにも「合う・合わない」があります。
一緒にいる人や過ごす環境を、自分の心地よさで選ぶ目線を育てていきたいものです。
◎ 支え合う関係をつくる
すべてを一人で頑張らなくてもいい。
必要なときにそっと寄り添ってくれる存在がいるだけで、心がふっと軽くなります。
◎ “整える時間”を大切にする
実家の庭の手入れをしながら深呼吸する時間。
そんな何気ない瞬間が、私にとっての“整えるひととき”です。
「スリーシスターズ」が教えてくれる共生のかたち
北米の先住民に伝わる「スリーシスターズ」という農法をご存じでしょうか?
◎ コーン(とうもろこし)が支柱の役割を
◎ インゲン豆が根に窒素を与えて土を肥やし
◎ カボチャの葉が地面を覆って雑草を防ぐ
それぞれが役割を果たしながら、共に育ち合うこの農法は、まさに自然から学ぶ「支え合いの知恵」。
この循環のように、私たちの暮らしも、誰かが主役になるのではなく、助け合うことで心地よさが育まれる。
そんな在り方を目指したいと感じます。
支え合って咲く、“わたし時間”
植物たちが共に根を張り、支え合いながら育つ姿は、私たちの暮らしにも通じています。
日々の暮らしのなかで、ちょっと立ち止まって誰かを助けたり、逆に頼ったり。
そんな瞬間こそが、40代の“私時間”を、よりあたたかく、豊かに彩ってくれるのかもしれません。
庭という小さな世界で出会ったやさしい共生のかたちは、これからも私の暮らしのヒントになってくれそうです。