40代、ふと感じた「距離」と「変化」
40代になって、自分の体や気持ちにちょっとした変化を感じるようになりました。
生理周期が不規則になったり、疲れやすくなったり。
なんとなく気分が上がらない日も増えてきた気がします。
そんな中、ふと気づいたのは、パートナーとのふれあいが減っていたこと。
「忙しいから」「疲れているから」と自然に距離ができてしまっていたけれど、
どこかで「これでいいのかな」と心の奥がざわついていました。
更年期の身体変化と、ふれあいへの影響
更年期は、女性ホルモンの分泌がゆるやかに低下していく時期。
その変化は、心と体の両方にあらわれます。
● デリケートゾーンの乾燥や違和感
● 性欲の低下や、性行為への抵抗感
● 気分の揺らぎ、不安感
コミュニケーションのすれ違い
こうした変化は誰にでも起こり得る自然なもの。
でもそれを、「仕方ないこと」と流すのではなく、心地よい関係性を育て直すチャンスととらえてみたら…
私たちの暮らしは、もっとやさしく整っていくのではないでしょうか。
性行為がもたらす、更年期ケアとしての“効果”
実は、性行為そのものが、更年期の不調を和らげるという科学的な根拠もあるのです。
▶︎ 身体への働き
◎ 適度な運動としての役割があり、血流を促進
◎ 骨盤底筋の血流が良くなり、膣の乾燥や萎縮に良い影響
◎ 膣へのやさしい刺激が、粘膜や筋肉の健康維持に役立つ可能性も
▶︎ 心への働き
◎ 性行為によってオキシトシンなどのホルモンが分泌され、不安や抑うつの軽減に
◎ パートナーとのふれあいが、安心感や絆の再確認につながる
◎ 睡眠の質向上や、ストレス緩和の報告も
このように、性行為は単なる「行為」ではなく、身体と心を整えるひとつの方法とも言えるのです。
無理をせず、やさしく整えるセルフケアも忘れずに
もちろん、体に違和感や不快感がある場合は、無理をしないことが大切。
乾燥や痛みがある方には、
◎ ホホバオイルやセサミオイルなどの植物オイルでの保湿ケア
◎ 潤滑ゼリーの使用
◎ ホルモン補充療法(HRT) の検討(医師相談が必要)
といった方法も、安心して取り入れられるケアになります。
「いたわりながら触れる」ことで、自分自身の変化にもやさしく向き合えるようになります。
言葉にして、分かち合うことで深まる関係
このテーマについて「いまさら話せない」と感じるのは、決してあなただけではありません。
でも、少しずつでも言葉を交わすことで、ふたりの心の距離は近づいていくことがあります。
たとえば─
「最近、ちょっと体が変わってきたみたい」
「もっと心地よい時間を一緒に過ごしたいと思っていて」
「あなたはどう感じてる?」
相手を責めるのではなく、自分の気持ちに正直になって伝えること。
それは、関係性を未来へとつなげるやさしい第一歩です。
「性行為」=「パートナーとの義務」ではない。ぬくもりがあればいい
ふれあいは、何も性行為だけが全てではありません。
手をつなぐ、抱きしめる、言葉を交わす──
こうした日々の触れ合いが、「わたしたちは繋がっている」という安心感になります。
更年期をこれから迎える準備として、“今のふたり”に合う関係性を、見つけ直す時間が必要なのかもしれません。
ふれあいは、人生をやわらかくする“私時間”になる
更年期の身体の変化は、決してマイナスだけではありません。
新しい自分を知り、パートナーとの関係をやさしく整える“静かなチャンス”でもあります。
ふたりにとって心地よい距離感、そしてふれあいの形を見つけること。
それは、40代からの暮らしに、深くあたたかな彩りを添えてくれます。
「無理せず、隠さず、ふたりで育てていく関係性」
そんな優しい視点を持てたら、今より少し、心がふわりと軽くなる気がします。
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