40代からは「鍛える体」ではなく、「感じる体」へと意識を切り替えてもいいんじゃないか―
そう感じるようになったのは、ハワイ文化と出会ったことがきっかけでした。
フラに宿る、ゆるやかなリズムと所作
フラの動きは、美しくゆったりとした所作に満ちています。腰の動き、手の振り、視線の向け方…そのすべてが呼吸と一体となり、「今ここ」に存在する感覚をもたらしてくれます。フラは、踊り手が体の声に耳を傾けながら、自然のリズムと調和する“感じる体”のあり方を教えてくれるのです。
ロミロミが伝える、手の祈りと流れるタッチ
一方、ロミロミはハワイの伝統的な癒しの手技。長く滑らかなストロークは「波のよう」と表現され、心身の深部に響くように流れます。身体に触れるその手は、単なるテクニックを超えて、愛(Aloha)と意図(Mana)を携えています。施術中に意識を込めた祈りや、手から伝わる静かなエネルギーが、体の声を呼び覚ましてくれます。
フラとロミロミが共鳴する“感じる体”の感覚
フラとロミロミに共通しているのは、身体の細部へ静かに意識を送り、「動き」「触れ」「呼吸」が一つになる瞬間を大切にする点。丹田から広がる呼吸、自然のリズムと体をゆだねる感覚、静けさと流れのバランスが、“感じる体”へと導いてくれます。
私の暮らしに取り入れる、感じる体のリチュアル
◎ 朝、窓辺で軽くストレッチをしながら、呼吸と手足の感覚に意識を向ける
◎ 日中、わずかな動作でも「体はどう感じているかな?」と自分に問いかける
◎ 夜、手のひらや足裏を軽くロミロミ(セルフタッチ)して、体に寄り添う時間を持つ
そんな小さな積み重ねが、“鍛える体”から“感じる体”への豊かなシフトにつながるのです。
「感じる体」がつくる、整う心と暮らし
40代以降は、自分に優しい選択を重ねていくとき。フラやロミロミのごく静かな流れと触れを暮らしに取り込むことで、“感じる体”は確かな整えの拠り所になります。
「今日はどんな風に体を感じたい?」
そんな小さな問いが、暮らしにゆるやかな変化をもたらして、心地よい暮らしを深めてくれます。
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