東京都中野区・東中野にある「ビセットプラザ」の9階。
エレベーターを降りると、そこには意外な“入口”がありました。靴を脱いで入るカフェ、「翔栄ファームカフェ」。
無農薬・無添加のオーガニック料理とともに、「食」と「生き方」を見つめ直す時間が、そこにはありました。
転職活動中の私と、あの時の記憶
カフェの入り口に掲げられた「翔栄クリエイト」という社名に、私はふと立ち止まりました。
その名前は、忘れもしないリーマンショック後に、私が転職活動中に心惹かれて問い合わせた会社のひとつ。
けれど、時代の影響で採用は見送りに。結局ご縁はつながらず、それでもどこか記憶に残っていた存在でした。
あれから十数年。まったく別の角度から、こうして再会できたことに、不思議な縁を感じました。
そしてその「再会」は、私に新たな視点と学びをもたらしてくれるものでした。
翔栄ファームカフェとは?「自然を食べよう」がテーマの場所
「翔栄ファームカフェ」は、「自然を食べよう」をスローガンに掲げるオーガニック志向のカフェです。
運営は合同会社翔栄ファーム(親会社は株式会社翔栄クリエイト)。もともとクリエイティブ系の事業を行っていた同社は、2023年に事業の主軸を農業と再生可能エネルギーへと大きく転換。
そのきっかけとなったのは、代表の宇佐神慎さんの奥様が2度のがん闘病を経験されたこと。
その体験から「食」の根本的な見直しに取り組むようになったそうです。
翔栄ファーム(主に群馬県前橋市・茨城県龍ケ崎市)では、無農薬・無化学肥料・固定種・在来種にこだわった自然循環型の農法で、野菜や穀物(米・麦・大豆など)を育てています。
それらを使用した定食やスイーツ、ジュースが提供されるこのカフェでは、まさに「安心・安全な食」が日常の中に溶け込んでいます。
ジュース一杯から始まる、食と健康の会話
今回は夕方に訪れたため、私はドリンクのみをいただきました。
ですが、その一杯の中にも、しっかりと自然の恵みが感じられました。
カフェのスタッフの方との会話も印象的で、特に心に残ったのが、
「がん細胞は毎日私たちの体の中で生まれている。でも、ナチュラルキラー細胞が働くことで、それを抑えているんです」
という言葉でした。
だからこそ、添加物や農薬をできる限り避けることが、ナチュラルキラー細胞の働きを妨げずに健康を保つために重要だと。
その言葉には説得力があり、「食べる」という行為が、どれだけ私たちの体や未来に影響しているかを改めて考えさせられました。
帰り道、つるむらさきを手にして
帰り際、翔栄ファームで育てられたというつるむらさきをいただきました。
袋の中には、しっかりとした葉の質感と、ほんのり土の香りが。
野菜が野菜らしい姿でそこにあることに、ちょっと感動してしまいました。
手渡されたその瞬間、「食べることって、命と命のバトンなんだな」と思わずにはいられませんでした。
食を通して、私たちはもっと自分らしく生きられる
翔栄ファームカフェは、単なるオーガニックカフェではありません。
「食と農から社会をよくしたい」という強い思いとともに、「自分たちが口にするものから、社会を変えていこう」とする姿勢に心を動かされました。
「何を選び、何を口にし、どう生きていくか」は、自分自身で選び取れる。
その小さな選択が、未来の自分や社会を少しずつ変えていく。
そう感じさせてくれる体験でした。
翔栄ファームカフェ 店舗情報
住所: 東京都中野区東中野三丁目8番13号 MSR東中野9F(ビセットプラザ隣接)
営業時間: 12:00〜19:00
販売: 店頭(ビセットプラザ)および通販サイト「しぜんとくらそ」にてオーガニック商品を購入可能
特徴: 定食・酵素玄米・有機栽培コーヒー・水素水・無添加スイーツなど多彩なオーガニックメニューを提供
▶ 公式Instagram:syoueifarm_cafe
日々の忙しさの中で、自分の身体や心に向き合う時間はつい後回しになりがちです。
でも、そんな時こそ立ち止まり、「自然な食」と向き合うことで、ほんの少し心と体が整っていくのかもしれません。
翔栄ファームカフェでの体験が、あなたにも何か優しい気づきをもたらしますように。