「もっと新しいことを始めなきゃ」
「変化に乗り遅れないようにしなきゃ」
そんな焦りを、ふと感じることはありませんか?
でも40代になって思うのは、“変わること”だけが成長ではない、ということ。
今あるものを丁寧に見直し、育て直すことこそが、
これから先のキャリアや暮らしを支える土台になる。
そんな気づきを与えてくれたのが、「1:5の法則」でした。
1:5の法則とは?
ビジネスの世界では、「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」という考え方があります。
これは「1:5の法則」と呼ばれ、マーケティングや営業戦略の基礎として広く知られています。
でもこの法則、実は私たちの日常の働き方や時間の使い方にも応用できるのです。
「あるものを活かす」ことが生む安定感
新しいスキルを身につけたり、新しい環境に挑戦することは大切。
でも、今すでに自分の中にある経験や人間関係、日々の仕事の流れを“見直して活かす”ことには、
想像以上の安定感と力があります。
例えば:
◎ 既存の業務のやり方を、少しだけ効率化してみる
◎ すでに築いた信頼関係を、より深めてみる
◎ 自分の強みを再確認し、どう磨けるかを考えてみる
こういった「今あるもの」に目を向けることが、余計な焦りやエネルギーの消耗を減らすことにつながりました。
私が実践している“育て直し”の習慣
◎ 使い慣れたツールを、あえて見直す
たとえば、毎日使っているメモアプリやカレンダー。
ただ使うだけでなく、「もう少し使いやすくできないかな?」と定期的に見直しています。
結果、同じツールでも生産性が格段に上がりました。
◎ 関係性の“メンテナンス”を大切にする
仕事上のつながりも、プライベートも、日々の小さな声かけや感謝のひと言で
関係の質が変わることを実感しています。
新しい人脈より、今いる人との関係を温め直すことが、結果的にチャンスにつながることも。
◎ 「強みの棚卸し」をしてみる
キャリアの転機に備えて、新しいスキル探しをする前に、
まずは“これまでできたこと・人から喜ばれたこと”を振り返る時間をつくっています。
強みは、新しいものではなく、すでに自分の中にあることが多いのです。
40代の働き方は、“減らすより、磨く”がちょうどいい
無理に変わらなくてもいい。
でも、今あるものを“そのままにしておく”のも、もったいない。
40代からの働き方は、「削る・手放す」ことも大切だけど、
それと同じくらい「磨き直す・見直す」という視点が必要だと感じています。
少し立ち止まり、「これは、育て直せるかもしれない」と見つめ直すことで、
働き方や暮らし方に静かな自信が生まれました。
私らしく働き、私らしく整えるために
「1:5の法則」は、外にばかり答えを探していた私に、内側を見るヒントをくれました。
変化を求めすぎて疲れてしまったとき、
焦ってあれこれ手を出してしまいそうなときこそ、
“今あるもの”に目を向けてみる。
その中にこそ、次の一歩につながるヒントがある。
それが私にとっての「整える働き方」のひとつです。
あなたにとって、今「育て直せるもの」はなんですか?
それに少しだけ手をかけてあげることが、明日の心と暮らしをやさしく整えてくれるかもしれません。
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