【緑の処方箋】マシュマロウがくれる“やさしい潤い”― 夏の終わりの粘膜ケアに、そっと寄り添うハーブ ―

植物療法

40代を迎えてから、季節の変わり目に体が出すサインに、少し敏感になりました。
朝起きた時の喉の乾きや、鼻の奥の違和感、エアコンで冷えた室内に長くいる日のだるさ。
「なんとなく、調子が整わない」——そんな時に限って、風邪やウイルスに負けやすくなることも。

そんな夏の終わりの“乾きやすい体”を、内側からやさしく潤してくれるハーブがあります。
その名は「マシュマロウ(Althaea officinalis)」。
粘膜をいたわる自然の処方箋として、ヨーロッパの伝統医学では2000年もの長いあいだ、大切にされてきたハーブです。

粘膜をやさしく包む、“とろみ”のちから

マシュマロウには「粘液質」と呼ばれる多糖類(アラビノガラクタンなど)が豊富に含まれています。
この粘液が、乾燥や炎症で弱った喉・気管支・胃腸などの粘膜をやさしくコーティングし、保護してくれるのです。

特に有効成分を多く含むのが、アルテア根と呼ばれるマシュマロウの根。
この根には6.2~11.6%、葉には6~9%もの粘液質が含まれています。
そのため、ハーブティーにするとほんのりとろみが出て、喉にやさしく染み渡るのを感じられます。

喉の乾燥、空咳、口内炎、胃の不快感、泌尿器の炎症など。
体の中の“乾いた場所”に、やさしく寄り添ってくれるハーブです。

夏の終わりに、マシュマロウを選ぶ理由

◎ 冷房で乾いた空気を吸い続けた喉や鼻に
◎ 夜の咳や喉の痛みが長引いているときに
◎ 胃腸が弱って、食欲が落ちているときに

この時期は、気温差や湿度の変化、冷たい飲食物の影響などで、体の粘膜が消耗しやすい季節です。
その“最初のサイン”を見逃さず、早めにケアしておくことが、季節の変わり目を快適に乗り切る鍵に。

マシュマロウのやさしい粘液は、そんな予兆のような不調に、静かに寄り添ってくれます。

私時間に取り入れる、マシュマロウの使い方

◎ ハーブティーとして内側からケア
マシュマロウの根または葉をティーにして飲むことで、喉や胃腸をやさしく保護します。
風味は控えめなので、ジャーマンカモミールやリンデンなど、リラックス系のハーブとブレンドするのもおすすめです。

\ 私のお気に入りレシピ /

◎ カモミールティーに、マシュマロウのパウダーをひとさじ加えて
ややとろみが出るまでよく混ぜて、就寝前にゆっくり飲む

◎ マウスウォッシュ・うがいとして
乾燥や口内炎が気になるときは、濃いめに抽出したマシュマロウティーを使ってうがい。
粘膜をやさしく保護し、炎症を和らげるサポートになります。

◎ 湿布やスキンケアに外用として
湿疹や肌トラブルには、冷ましたティーをコットンに含ませて湿布として使用。
粘液が皮膚をやさしく保護し、自然な修復を促してくれます。

ナチュラルなものだからこそ、気をつけたいこと

マシュマロウは非常に安全性の高いハーブですが、以下の点にご注意を。

● 薬の吸収に影響する可能性
粘膜を保護する作用があるため、一部の医薬品の吸収を妨げる可能性があります。
服薬中の方は、薬の服用時間とは2時間以上あけて使いましょう。

● 乾燥品 or パウダーの品質に注意
信頼できる販売元から、農薬不使用・オーガニックなどの品質表示があるものを選びましょう。

“潤いの予防薬”としての、マシュマロウ時間

年齢を重ねるほど、体は「乾燥」に敏感になります。
それは肌だけでなく、喉、胃腸、心までも。

だからこそ、まだ不調になる前に、“潤す”というケアを。
マシュマロウは、そんな静かな予防のハーブ。
「まだ大丈夫」と思ってしまいがちな時こそ、そっと寄り添ってくれる存在です。

今日も、カップに少しとろみのあるハーブティーを注ぎながら、
「今のうちに、整えておこう」
そんなふうに、自分をいたわる時間を過ごしてみませんか?

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