災害が起きたとき、真っ先に思い浮かぶのは―
「まだ小さな私たちの子供たち(赤ちゃん)、大丈夫かな」
「高齢の母に何を持たせたらいい?」
「うちの子(ペット)は避難できるだろうか…」
自分以外に守る存在がいる私たちにとって、防災対策は「日常を整える延長線上」にある大切な習慣です。
40代になり、家族のライフステージも変わる中で、改めて「今の家族に必要な備え」を見直してみませんか?
今回は、赤ちゃん・高齢者・ペット――それぞれに必要な視点で、持ち出し袋の中身や避難時のポイントをまとめました。
赤ちゃんの防災対策|体温調節と栄養確保が最優先
赤ちゃんにとっての災害は、大人以上に過酷です。言葉で不安を伝えることもできず、環境の変化に敏感だからこそ、心と体を守るアイテムをしっかり準備しておきましょう。
<持ち出し袋に入れておきたいもの>
◎ 液体ミルクまたは粉ミルク+哺乳瓶
◎ 赤ちゃん用の飲料水(軟水)
◎ おむつ・おしりふき・ポリ袋
◎ 着替え(上下セット×2〜3)、靴下・帽子
◎ ブランケット・タオル・防寒着
◎ 授乳ケープ・抱っこ紐
◎ 小さなおもちゃ(安心材料になります)
ポイント:
赤ちゃん用品は、専用のリュックに分けて保管。いざというとき、大人用とは別に取り出せるようにしておくと安心です。
高齢者の防災対策|「早めの避難」と「日常からの備え」
高齢者の場合、持病や身体機能の変化を前提に備えを整えておくことが大切です。避難は「警戒レベル3(高齢者等避難)」が目安。周囲の声かけやサポート体制も重要になります。
<持ち出し袋の中身(必需品)>
◎ 常備薬(7日分)、お薬手帳のコピー
◎ 補聴器・眼鏡・入れ歯・杖・簡易トイレ
◎ 下着・着替え・ブランケット
◎ 転倒防止スリッパや歩きやすい靴
◎ 緊急連絡先を書いたカード
<日常で心がけたいこと>
◎ 家具の固定や通路の安全確保(転倒防止)
◎ 電話や声かけでの安否確認体制
◎ 避難場所・避難ルートの定期確認
備えは、モノだけでなく「安心できる関係性」も含まれます。
ご近所とのゆるやかなつながりも、非常時の大きな支えに。
ペットの防災対策|「家族として一緒に避難する」前提で
大切な家族であるペットも、災害時にはストレスを抱えやすい存在です。
また、「一緒に避難できるかどうか」は、地域のルールや環境によって大きく変わります。
<持ち出し袋に入れるべきもの>
◎ フード&水(5~7日分)、器、スプーン
◎ キャリーケース、リード、首輪(迷子札付き)
◎ トイレ用品(シート、袋、猫砂など)
◎ ワクチン・予防接種の証明書
◎ 写真(万一はぐれた際の確認用)
◎ 体調を崩した時用の常備薬
<事前にしておくと良いこと>
◎ マイクロチップの装着・迷子札の確認
◎ 避難訓練やキャリーへの慣れ
◎ 同伴避難が可能な避難所の情報収集
「ペットは後回し」ではなく、
「一緒に避難する前提」で備えることが、全員の安心につながります。
すべてに共通する“防災3つの基本”
赤ちゃんも、高齢者も、ペットも。
大切な存在を守るために、ぜひ押さえておきたい3つの基本があります。
① 専用の持ち出し袋を用意する
1人1袋が原則。個別に用意することで、管理・持ち運びもスムーズに。
② 避難計画とハザードマップの確認
避難場所やルートを事前に家族で共有。できれば定期的に散歩がてら確認を。
③ 定期的なチェック&訓練を日常にする
年に1〜2回、中身を点検。サイズアウトや賞味期限のチェックも忘れずに。
「今の家族に合った防災」を、今日から少しずつ
40代は、家族のかたちや役割が変わる時期。
子どもが小さい方も、親の介護が始まった方も、
今この瞬間が“防災を考えるベストタイミング”です。
大切な存在のことを想いながら、
「自分にできることは何か」をゆっくり考えてみる。
それが、私らしく心地よい防災の第一歩になるのかもしれません。