「もっと成果を出さなきゃ」「たくさんの人に届けたい」
そんな気持ちに駆られるときこそ、私は立ち止まって思い出すようにしています。
それは、“誰かひとり”との関係を、ちゃんと大切にできているかどうか。
40代を過ぎて気づいたのは、「信頼の積み重ねこそが、自分らしい働き方の土台になる」ということ。
その考えに確信をくれたのが、「ジラードの法則」でした。
ジラードの法則って?
アメリカのトップ営業マンだったジョー・ジラードが提唱した「ジラード250の法則」。
内容はシンプルで、
「ひとりの人は、約250人の知人とつながっている」
というものです。
たったひとりの満足や不満が、じつは250人もの周囲に波紋のように伝わっていく。
つまり、目の前の“ひとり”の声をどう扱うかが、その先の信頼や評価に大きく影響するという法則です。
これを知ったとき、私はなんだかホッとしました。
無理に「たくさんの人に伝える」ことに力を入れすぎなくてもいい。
“ひとりを大切にすること”が、静かに信頼の循環をつくってくれるんだと。
「ひとりの声」を大切にする暮らしと働き方
この法則を暮らしや仕事にどう活かせるか、私なりに考えてみました。
◎ 対話の中の「ひとこと」を拾う
「実は最近ちょっと悩んでて…」
何気なく言った言葉の奥にある気持ちを、覚えておく。
後日「この前の話、どうなった?」と声をかけると、相手は安心したように笑ってくれたりします。
◎ 「聞いてくれてありがとう」をもらえる存在に
自分が話すより、相手の話を聞くことを意識してみる。
それだけで、関係が深まり、信頼は自然と積み重なっていきます。
◎ 返すひとことに「丁寧さ」を込める
忙しいときほど、メールやLINEの返信を短く済ませがちですが、
「ありがとう」「気になっていたんです」などの一言を添えると、関係に温度が加わります。
40代からの働き方は、“広げる”より“深める”
SNSやビジネスの世界では「影響力」や「拡散力」が注目されがちです。
でも私たちが本当に大切にしたいのは、“ちゃんとつながること”ではないでしょうか。
40代は、無理に広げなくてもいい時期。
むしろ、“ひとりとの関係を深める”ことで、暮らしも仕事も、根っこから強くなっていく。
心を込めたやり取りは、やがて自分の周りに信頼の輪をつくります。
それが静かな紹介や応援につながって、巡り巡って自分を支えてくれる日がくるのです。
私らしく働き、私らしく整えるために
この法則を知ってから、私は“ひとり”の声をもっと大切にするようになりました。
相手の声に耳を傾けることで、自分自身の働き方も整い、心の余白も増えた気がします。
忙しい日常のなかで、“この人にちゃんと向き合えてるかな?”と時々立ち止まる
数ではなく、「この人に届いた」を大事にしてみる
ひとつのやさしい言葉を、大切に持ち帰ってみる
40代の今だからこそ、目の前の“ひとり”とていねいにつながること。
それが、私らしいビジネスと心地よい暮らしを支える土台になると感じています。

