40代からの「整える暮らし」に、音の力を取り入れる
40代を迎えて、内側の静けさや心の余白を大切にしたいと思うようになりました。
慌ただしい日々のなかで、ふと気づく“ざわざわ感”。
スマホから溢れる情報、人間関係の気疲れ、小さなストレスが積み重なって、
気づけば深呼吸を忘れてしまっていることも。
そんなとき、私の心をふっと整えてくれるのが、「音」でした。
それはBGMとして流す音楽ではなく、ハワイの自然音や、チャントと呼ばれる祈りの歌。
ハワイ文化の中に息づく“音の感覚”が、心と体に優しく染みわたり、
私の中に静けさを取り戻してくれたのです。
波音に身をゆだねる。自然のリズムが心を整える
ハワイの海辺に立つと、最初に感じるのが波の音。
一定のリズムで寄せては返す音は、まるで海が呼吸しているかのよう。
この音に身をゆだねると、不思議と自分の呼吸も深くなり、
ゆるやかに整っていく感覚が生まれます。
目を閉じて波音に耳を澄ませるだけで、
頭の中のざわめきが少しずつほどけていき、
「今ここ」に戻ることができるのです。
鳥の声、風のささやき。暮らしの中にある“整える音”
ハワイでは、朝の鳥のさえずりや風が木々を揺らす音さえも、
心を整える“自然のメロディ”として響いてきます。
私も日本の暮らしの中で、耳を澄ます習慣を意識的に取り入れています。
◎ 窓を開けて夜の静かな外の音に耳をすませる
◎ 通勤途中で風の音や木の葉の揺れに気づく
◎ 寝る前に波音の音源を小さく流してリラックス
日常の中にある自然音に気づくことで、
無意識の緊張がゆるみ、呼吸が深くなっていくのを感じます。
チャントの響きが、心の深い場所に届くとき
ハワイの伝統的な祈りの歌「チャント」は、
単なる音楽ではなく、“声の祈り”そのもの。
感謝や自然への敬意、つながりを表現するこの歌は、
言葉の意味がわからなくても、なぜか心に深く響きます。
ある日、ロミロミのセッション前に唱えられたチャントを聴いたとき、
胸の奥がじんわりと温かくなり、思わず涙がこぼれました。
音には、意味を超えて人の心に届く“波動”があるのだと、あらためて感じた瞬間でした。
私が暮らしに取り入れている「音で整える」小さな習慣
◎ 朝の始まりに、窓を開けて静かに耳を澄ます
◎ お気に入りの波音やハワイのチャント音源をBGMに
◎ 夜は“無音の時間”をつくり、自分の内側の音に意識を向ける
大切なのは、“何を聴くか”以上に、“どう聴くか”。
耳を澄ませることで、自分の今の状態に気づけるようになります。
ざわつく日には音が騒がしく感じ、心が落ち着いている日は、音がすっと入ってくる――
音は、私の「心の鏡」のような存在です。
音の中に、自分を取り戻す場所がある
40代からの暮らしは、無理に頑張るよりも、
「戻ってこられる静けさ」を持つことが心地よさにつながると感じています。
ハワイの自然音やチャントのように、
整える力を持つ“音”と日常的に触れることで、
自分の内側に穏やかなスペースを育てることができるのです。
忙しさの中でも、耳をすます時間があれば、心はまた整っていく。
それは、40代からの「私時間」をより心地よくするための、ささやかなヒントかもしれません。
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