40代に入って、ふと立ち止まることが増えました。
仕事も家庭も、それなりにがんばってきたけれど、
「この道でよかったのかな」と考え込んでしまう瞬間があります。
そんなとき、ある言葉に出会いました。
「たくさんの道は、ひとつにつながる。」
―― マハトマ・ガンディー
とても静かな言葉なのに、不思議と心に沁みて、
涙がにじむほどホッとしたのを覚えています。
正解なんて、本当は誰にもわからない
若いころは、「こうあるべき」という理想や周囲の期待に合わせて、
正しい道を探しながら生きてきた気がします。
けれど、年齢を重ねるにつれて、選んできた道が本当に正しかったのか、
別の道のほうが幸せだったのでは?と不安になることも。
でもガンディーのこの言葉は、そんな迷いに優しく寄り添ってくれました。
「どの道を選んでも、最終的には“ひとつの真理”にたどり着く。
だから、あなたの道も、ちゃんと意味があるんだよ」――
そう語りかけられているようでした。
多様な人生は、否定するものではなく、認め合うもの
「たくさんの道は、ひとつにつながる」という言葉には、
もっと深い人生哲学が込められています。
それは、
幸せにたどり着くルートは人それぞれ違うけれど、目指している場所は同じかもしれない、ということ。
違う価値観や選択をしている人たちも、尊重し合っていいということ。
いろんな道があっていいし、どの道にも意味があるということ。
この言葉は、現代の多様性を認める社会にも通じます。
「自分と違う」からといって否定するのではなく、
他者の道にも耳を傾け、歩み寄っていけることが、
共生や平和への第一歩になるのだと思います。
回り道、寄り道、どれも“自分だけの景色”
これまでに経験してきた数々の回り道。
転職、家庭の選択、介護との両立、体調不良……
思い通りにならなかったことも数えきれません。
でも、今だから思えるのです。
そうした寄り道にも、ちゃんと意味があったと。
風にそよぐ雑草のように、人間の人生もまっすぐではありません。
踏まれたように感じる時期も、地中で根を張っていたのかもしれない。
遠回りに見えたその道も、必要なプロセスだったんだと。
自分のペースで、心の真理にたどり着けたら
人生の“ゴール”は、人によって違います。
でもその本質は、「自分らしく生きること」「本当に満たされること」
なのかもしれません。
どの道を選んでも、最終的には「自分の真理」につながっていく。
そう信じられたら、今の自分に胸を張れる気がします。
小さな確信とともに、生きていこう
「たくさんの道は、ひとつにつながる。」
この言葉がくれたのは、「今のわたしの人生にも意味がある」という
小さな確信でした。
自分の選んだ道を、誰かと比べることなく、
静かに、しっかりと、歩いていく。
その歩みこそが、真理へと続いているのだと信じながら——。
焦らず、自分の歩幅で生きていくこと。
それが、40代のいま、私が見つけた「豊かさ」なのかもしれません。

