ヴィーガンをやさしく学び直す — 私の整える食と生き方の7日間—第4日目:実は身近だったヴィーガン食 — 和食との意外なつながり

③【食・オーガニック・健康食】

40代に入ってから、食べるものが体調や気分に与える影響を、以前より敏感に感じるようになりました。
そんな中で関心が深まった「ヴィーガン」という食の選択。海外のライフスタイルのように感じる方もいるかもしれませんが、実は日本の伝統的な食文化にも、その要素が数多く息づいています。

今回は、「ヴィーガン=遠い存在」ではなく、「和食の中にあるヴィーガン的な智慧」に目を向けながら、整える暮らしのヒントを探してみたいと思います。

精進料理に息づく“動物性を使わない食”の知恵

「ヴィーガン」は現代的な言葉ですが、肉や魚を避けた食事の文化は、私たちの身近にも古くから存在してきました。
その代表が、仏教に基づく精進料理です。

動物の命をいただかず、野菜・豆・海藻などを使って丁寧に作られる精進料理は、まさに“和のヴィーガン”とも言える存在。
食材だけでなく、にんにくやねぎといった五葷(ごくん)を避けるなど、体と心を整えるための知恵が詰まっています。

味噌や醤油――発酵のちからも“植物性”

和食に欠かせない味噌や醤油、酢、みりんなどの調味料も、実はすべて植物性由来で、ヴィーガン食との相性は抜群です。

たとえば、昆布と椎茸の出汁で味噌汁を作れば、動物性を使わずとも深い旨味が出せますし、豆腐や野菜を中心にした煮物や炒め物も、味噌・醤油でしっかりと満足感のある一品に仕上がります。

発酵食品の良さは、少ない量でもしっかり味を引き出せること。これは40代以降、塩分や油分を控えたい私たちの食事においても、とても助けになる要素です。

豆腐と大豆加工品――和食の頼れるたんぱく源

ヴィーガン食において不足しがちと言われる“たんぱく質”も、和食の知恵を活かせばしっかり補えます。
その主役が豆腐・厚揚げ・高野豆腐・納豆・湯葉などの大豆製品。

たとえば、

◎ 豆腐のステーキ風グリルに、味噌だれをかけてメインに

◎ 高野豆腐と根菜の煮物で、ほっと落ち着く定食風ごはん

◎ 豆腐とわかめの味噌汁で、お腹も心も温まる一杯

大豆食品は、手軽で日持ちもしやすく、和の食卓になじみやすいのが魅力。あえて“ヴィーガンを意識しすぎない”日常使いがしやすいのも嬉しいポイントです。

私が暮らしに取り入れている“和ヴィーガン”の工夫

すべてを動物性なしに、とは考えすぎず、「植物性が中心の日」を意識して過ごすようになってから、気持ちも体も軽やかになった感覚があります。

◎ 味噌・醤油・酢などの“発酵調味料”を基本にする
◎ おかずの主役に豆腐・野菜・海藻を据える
◎ 週に数回は「精進風ごはんの日」として取り入れる

何もかもを変えなくても、“身近な和食の力”を再発見するだけで、自然と整っていく。
そんな感覚を少しずつ、自分のペースで育てていきたいと思っています。

「特別な食」ではなく、「整える選択」としてのヴィーガン

ヴィーガンというと、海外の専門食材や、難しいレシピを想像するかもしれません。
でも、私たちの台所には、すでにそのヒントがたくさんありました。

味噌・豆腐・わかめ・季節の野菜――どれも、昔から親しまれてきた和の食材です。
「動物性を控える=味気ない」ではなく、“体と心にやさしい味わいを選ぶ”という選択肢。

それが、40代からの私にとっての「整える食」なのかもしれません。

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