ある日、ふと「私、この数年で何か成長できているんだろうか」と考える時間がありました。
若い頃のように、新しいことをどんどん吸収したり、大きな成果を上げたりすることが減ったような気がして、どこかで焦りや物足りなさを感じる自分がいました。
でも、そんなときに思い出したのが「経済成長のグラフ」でした。
経済って、ずっと右肩上がりに伸びていくわけではありませんよね。
時には景気が落ち込む年もあれば、急激に回復する年もある。上がったり下がったり、ジグザグしながら、それでも長い目で見ると少しずつ成長している。
…もしかして、私たち一人ひとりの人生も、同じなんじゃないか。
そんなふうに思うようになったのです。
ミクロで見ると「後退」に見える日もある
40代になると、体の変化や心の揺らぎに敏感になります。
昨日は元気だったのに、今日はなんだかどんより。
頑張ったのに結果が出なかったり、成長どころか「むしろ後退してる?」と感じる日もある。
けれど、それってきっと「ミクロ」の視点で見ているから。
私たちが何かを習得する時や、自分を整えていく過程には、必ず「波」があります。
順調に見えていたことが止まったり、できていたことが急にできなくなったりするのも、その波の一部。
それは「成長していない証拠」ではなく、「成長するための時間」なんですよね。
マクロで見れば、私たちはちゃんと育っている
試しに、ここ数年を「マクロ」の視点で振り返ってみました。
たとえば、昔は無理してでも予定を詰め込んでいたけど、今は「休む勇気」が持てるようになった。
人の意見に振り回されがちだった自分が、今は「私はこうしたい」と落ち着いて言えるようになった。
それって、一見派手な変化ではないけれど、確かな“心の成長”です。
株価やGDPのように目に見える数字はないけれど、
私たちの中にはちゃんと「積み重なってきたもの」があります。
経済と同じように、人生も波を描きながら、少しずつ深みを増していくもの。
40代になった今だからこそ、そんな静かな成長を受け取れるようになった気がします。
成長は“まっすぐ”じゃなくていい
昔は「頑張れば報われる」と信じていたけれど、今は「報われない日もある。でも、無駄ではない」と思えるようになりました。
前に進めないときも、足踏みしているときも、
それでも私たちは“成長の道”の途中にいる。
「今日は何もできなかった…」という日があっても、
それは決してマイナスではなく、“整える時間”だったのかもしれません。
成長は、一直線ではありません。
ジグザグで、遠回りで、時には後戻りしているように感じることもある。
でも、それでいいんだと思います。
40代からの“静かな成長”を信じて
これから先、人生はますます予測できないことが増えるかもしれません。
体調も、家族のことも、働き方も、変わっていくでしょう。
でも、どんなに変化しても、自分の中の“小さな成長”を見逃さずにいたい。
「私はちゃんと育っている」
そう自分に言ってあげられることが、きっと、これからの人生をやさしく照らしてくれる気がするのです。
今日も一歩、ゆっくりと、自分らしく。
ジグザグでも、私たちはちゃんと前に進んでいます。

