日々の暮らしの中で、ふと起こる小さなトラブル。
できれば避けたいものですが、最近の私はこう思うようになりました。
「引っかかる」という違和感には、整え直すためのサインが隠れているのかもしれない、と。
先日、私の身の回りで立て続けに起きた2つの出来事。
どちらも小さな“引っかかり”でしたが、その中に大きな気づきがありました。
【1】デンタルフロスの「引っかかり」で見つけた、過去のズレ
ある日、家族が「奥歯にデンタルフロスが引っかかって取れない」と困っていました。
自分で何とか取ろうと試みたもののうまくいかず、結局、歯科医院を受診することに。
診察の結果、原因は過去に治療した部分と、最近治療した箇所の間にできた“段差”でした。
その微細なズレにフロスが引っかかっていたのです。
おかげで、以前の治療跡の再チェックが行われ、虫歯の再発予防にもつながる処置を受けることができました。
「なにかが引っかかるところには、なにかが潜んでいる。」
そう思わずにいられませんでした。
違和感はとても小さくて、放っておけば見過ごしてしまうようなものかもしれません。
でもその小さな感覚に気づいたとき、私たちは体や暮らしにもう一度、目を向けることができるのだと思います。
【2】介護の行き違いが教えてくれた、“伝える力”の大切さ
もうひとつの出来事は、離れて暮らす家族の介護の場面で起こりました。
施設のスタッフさん、ケアマネージャーさん、そして往診を担当している病院の事務局との間で、情報の行き違いが起きていたのです。
私は「伝えたつもり」でいたけれど、あとから振り返ると、
言葉があいまいで回りくどく、要点が伝わっていなかったと気づきました。
介護のやりとりでは、「念のために」ではなく、「確実に届く言葉」で伝えることが必要なのだと実感しました。
◎ はっきりと依頼すること
◎ 必要であれば繰り返し伝えること
◎ 遠回しではなく、具体的な言葉を選ぶこと
それらが相手との信頼をつくり、家族の安心にもつながるのだと思います。
小さな違和感は、未来を整えるきっかけに
どちらの出来事も、はじめは「ちょっと困ったこと」でした。
けれど、ふたを開けてみると、見えない部分にあった“ズレ”や“甘さ”に気づくことができました。
私たちが日々の中で感じる「ちょっとした引っかかり」は、
暮らしや心を整えるサインなのかもしれません。
忙しさの中では、違和感を見て見ぬふりしてしまうこともあります。
でも、そこにちゃんと立ち止まり、向き合ってみることで、
からだにも心にも、静かな変化が起きるような気がするのです。
トラブルの中に宿る、整え直すチャンス
トラブルは、できれば避けたいもの。
けれど、それが起きたことで、
「ちゃんと整えられていなかった場所」が見えることもあるのだと、今回あらためて感じました。
私たちの40代は、少しずつ疲れや不調が表れやすくなる時期。
だからこそ、小さなサインに気づいて、自分や家族をいたわる時間を持ちたいと思うのです。
「うまくいかない」と感じた時こそ、整え直すタイミング。
今、あなたの暮らしにも、引っかかる何かがあるなら—
それは、未来を軽やかにするヒントかもしれません。

