癒しの風を暮らしに:ハワイ文化とロミロミの整え旅 Vol.11 最終回 “戻ること”が癒しだった。40代から選んだ私の生き方

④<ナチュラルケア・ハーブ>

40代を迎えてから、私はようやく「癒しとは変わることではなく、“戻ること”なのかもしれない」と気づくようになりました。
がんばること、理想を追いかけることに懸命だったこれまでの自分。
でも年齢を重ねてからの私は、“もっと○○しなければ”を手放すことで、初めて深く整う感覚を知ったのです。

癒しとは「変わること」ではなく「還ること」

私がロミロミを学び始めた頃は、癒しとは“前向きになれること”だと信じていました。
もっとポジティブに、もっと強く、もっと理想に近づくこと——それが癒しであり、成長だと。

けれどハワイの自然に抱かれ、ロミロミの手のぬくもりに身をゆだねる中で感じたのは、
「変わらなくても、戻るだけでいい」
という深い安心感でした。

ロミロミは、「身体の滞りを流す」だけでなく、心の鎧をやさしくほどいて、本来の自分へ戻る道をつくる癒しのアートです。

ロミロミが教えてくれた、“ほどく”という選択

40代になってから、自分に向けるまなざしが少しずつ変わりました。
それは、“がんばること”をやめたというよりも、“緩めても大丈夫”と許せるようになったという感覚。

「ちゃんとやらなくてもいい日」をつくる

◎ 「誰かのため」よりも「自分の声」に耳を傾ける

◎ 無理に前を向かず、立ち止まる時間を大切にする

ロミロミの中には、“今ここ”を尊ぶ教えがあります。
それは未来を追いかけることではなく、すでに在る「私」という存在に気づくこと。

この“戻る選択”が、今の私の暮らしをやさしく整えてくれています。

自然の中にある、私を取り戻すヒント

ハワイの自然と文化に触れるたびに、私は「人も自然の一部なんだ」と深く実感します。

風、波、月、土、緑…
それらに触れる時間は、言葉にならない部分で“私”を思い出させてくれる時間です。

今の暮らしで大切にしているのは、日常に自然のリズムを取り戻すこと。

◎ 月を眺める静かな夜

◎ 朝、カーテン越しに風を迎える

◎ 手のひらで植物をそっとなでる

◎ 自然音(波・風・鳥)をBGMにする

どれも、ほんの数分でもいい。
忙しい日々の中に、“戻る”ための扉をそっと開けてくれる習慣です。

40代からの癒しは「緩めて、戻る」生き方

これまでずっと「前へ、上へ」と進もうとしていた私。
でも今は、「戻って、休んで、感じていい」と思えるようになりました。

癒しとは、何かを加えることではなく、
すでに在る“本来の私”に気づき、還っていくこと。

40代という節目は、その優しさを自分に許すタイミングなのかもしれません。

無理に変わらなくていい。
完璧にならなくていい。
あなたが、あなたのままで、深く息を吐ける暮らしが、きっとここにあります。

癒しは「外に探すもの」ではなく、「内に還る旅」

ロミロミと自然が教えてくれたこと。
それは、どんなときも「癒しの風は、いつも自分の中から吹いてくる」ということです。

旅のように感じたこの11回の連載。
でも本当は、それぞれの日常の中にこそ、癒しの入口がありました。

あなた自身が、あなたにとっての最も大切な癒しの存在であることを、どうか忘れないでください。
そして、どうかこれからも「緩める」「戻る」時間を、自分に贈ってあげてくださいね。

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