無理に“栄養”を与えすぎない。40代からの「私を育てる整え方」

②【生き方・考え方】

植物の根に肥料を直接与えると、かえって根が傷んでしまうことがあるそうです。
いわゆる「肥料焼け」と呼ばれる現象で、栄養が濃すぎると、根から水分が奪われてしまい、成長が止まってしまうのです。

この話を聞いたとき、私はふと、「人の心や体も同じかもしれない」と感じました。
がんばりすぎたり、良いことを“詰め込みすぎたり”すると、かえって自分の中の根が疲れてしまうことがあります。

40代からの暮らしは、まさに「栄養の与え方を見直す時期」なのかもしれません。

「頑張ること」が肥料焼けになっていませんか?

若い頃は、たくさんのことを吸収しようと、常に何かを学び、取り入れようとしていました。
けれど、40代になると、体や心がその“濃さ”に耐えきれない瞬間が出てきます。

健康に良いと聞いたら試し、美容法も情報もたくさん集めて…
それが知らないうちに、心や体への“刺激”になってしまうこともあるのです。

どんなに良いものでも、タイミングや量を間違えると、かえって負担になる。
植物の根が肥料に驚いて成長を止めるように、私たちも「頑張りすぎ」が原因で動けなくなってしまうことがあります。

そんなときこそ、まずは“やめる勇気”を持つことが大切です。
それが、私たちの根を守る第一歩になるのだと思います。

ゆっくりと栄養を吸収できる「土づくり」の時間を持つ

植物がしっかりと育つには、肥料よりもまず「土の状態」が大切だといいます。
それは、人にとっての「心と体のコンディション」と同じです。

しっかり眠ること。
温かい食事をゆっくりと味わうこと。
一人で静かに過ごす時間を持つこと。

これらはすべて、“土づくり”のようなもの。
何かを「足す」よりも、まずは「整える」。
そうすることで、私たちは自然と必要なものを受け取る力を取り戻せるのです。

栄養は“与えること”より、“受け取れる状態”をつくることから始まります。

「今の私」に合ったペースで育つことを許す

40代の心と体は、変化の途中にあります。
だからこそ、昨日まで合っていた習慣が、今日には合わなくなることもある。

それを「できなくなった」と責めるのではなく、
「今の私には、このくらいがちょうどいい」と受け入れてみる。

肥料を控えめにして、土と根の力を信じるように、
自分の自然治癒力やリズムを信じることが、ほんとうの整え方かもしれません。

焦らず、詰め込みすぎず。
体も心も、時間をかけて吸収することで、深く、しなやかに育っていくのです。

今日も、ゆるやかに

私たちはつい、「もっと頑張らなきゃ」「もっと良くなりたい」と思ってしまいます。
でも、植物の根が肥料を求めていないときに無理に与えると、逆効果になるように、
私たちの心や体も、時には“何もしないこと”を望んでいるのかもしれません。

成長には、休む時間が必要です。
根が静かに水を吸い上げるように、私たちもまた、静かな時間の中で自分を育てています。

40代からの暮らしは、足すよりも、整える。
焦らず、ゆっくり、根のように。
そんなリズムで生きることが、心地よい暮らしにつながっていくと感じています。

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