【緑の処方箋】ジャーマンカモミール③ ― 暮らしに活かすカモミールの知恵と注意点

④<ナチュラルケア・ハーブ>

「お茶」だけじゃない、カモミールのある暮らし

ハーブティーとして親しまれているジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)。
でも実は、飲むだけではもったいないほど、日々の暮らしの中で役立つ知恵がたくさんあります。

心を落ち着かせたいとき、肌を整えたいとき、家族のケアをしたいとき──
“緑の処方箋”のように寄り添ってくれるカモミールの使い方をご紹介します。

肌にも心にも届く「ハーブ湿布」

抽出したカモミールティーをガーゼに含ませて使う「ハーブ湿布」は、
冷やす・温める、どちらにも応用できる万能ケア。

◎ 冷湿布:日焼け後や目の疲れ、ほてりに。
 冷ましたティーをコットンに含ませ、3〜5分ほど肌にのせます。

◎ 温湿布:肩こりや生理痛、胃の重さを感じるときに。
 温かいティーを布に含ませて当てると、体の奥からじんわりほぐれます。

香りを感じながら、深呼吸をひとつ。
それだけで“整う時間”が生まれます。

1日の疲れを癒やす「カモミールバス」

忙しい日こそ、湯船に浮かべてほしいのがカモミールバス。
乾燥花を大さじ2〜3杯、布袋に入れて湯船へ。
ほのかに甘いりんごのような香りが広がり、
肩の力がすっと抜けていくのを感じます。

眠る前の入浴に取り入れると、
浅くなりがちな眠りも、ふわりと深まるようです。

やさしく整える、カモミールのスキンケア

抗炎症作用のあるカマズレンやビサボロールを含むカモミールは、
肌を穏やかに保ちたいときのスキンケアにも最適です。

◎ 化粧水:濃いめに抽出したカモミールティーに、
 無水エタノールとグリセリンを少量加えて。
 冷蔵で2〜3日を目安に使い切るのがおすすめです。

◎ スチーム:ボウルに熱湯とドライハーブを入れ、
 タオルをかぶって3分ほど蒸気を浴びる。
 毛穴が開いて、肌も気持ちもやわらぎます。

自然の香りに包まれながらのお手入れは、
肌以上に“心の保湿”にもなる気がします。

気分で選ぶ、ブレンドの楽しみ

ジャーマンカモミールは単体でも十分心地よい香りですが、
他のハーブと合わせると、さらに表情が変わります。

◎ レモンバーム:朝のリフレッシュに。
◎ ラベンダー:夜のリラックスタイムに。
◎ ローズヒップ:肌の潤いを意識したい日のおともに。

その日の気分や体調に合わせてブレンドを考える時間が、
自分を見つめる静かな習慣になっています。

使うときに気をつけたいこと

カモミールは穏やかで扱いやすいハーブですが、
いくつか注意しておきたい点もあります。

● キク科アレルギーがある方は使用を控える
● 妊娠中は使用量を控える(子宮収縮を促すおそれ)
● 濃い抽出液を長時間肌にのせない

体質や状態に合わせて、少しずつ試すことが大切です。
“自然のものだから安心”と思わず、
自分の体と丁寧に対話しながら使っていきましょう。

私の「カモミール習慣」

◎ 朝:レモンバームとブレンドしたティーを淹れて、深呼吸から1日を始める。
◎ 夜:入浴に浮かべて、香りに包まれながらリセット。
◎ 外出前:乾燥が気になる日は、手作り化粧水をひと吹き。

少しの手間をかけることで、日常がやさしく整っていく。
それが、私にとっての“緑の処方箋”です。

お守りのようなハーブ

ジャーマンカモミールは、子どもから高齢の方まで安心して使いやすいハーブ。
カフェインを含まず、香りもやわらかいので、
家族みんなの“リラックス時間”をつくってくれます。

疲れた日や眠れない夜、
カモミールの香りは「大丈夫」とやさしく語りかけてくれるよう。
私にとっては、暮らしに寄り添うお守りのようなハーブです。

ハーブの購入は、
グリーンフラスコ公式オンラインショップ

から取り寄せています。
丁寧な情報とともに、植物の魅力をそのまま届けてくれるお店です。
安心して選べる場所があることも、暮らしを整える一部だと感じています。

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