惑星に導かれる私時間 ― 宇宙と暮らしをつなぐ8つの旅|第2回:金星(ヴィーナス)― 「心地よさ」と再びつながる星

②【生き方・考え方】

今回のシリーズ
「惑星に導かれる私時間 ― 宇宙と暮らしをつなぐ8つの旅」では、
8つの惑星をテーマに、
天文学と占星術の視点からひもとく“心地よい整え方”を、
全8回にわたってお届けしています。

日々の暮らしの中に、
ほんの少しだけ「宇宙のリズム」を取り入れてみる。
それは、40代からの私時間をより深く味わうための、新しい視点になるかもしれません。

―その第2回は、「金星(ヴィーナス)」。
朝や夕方の空でひときわ明るく輝く、美の星。
金星は、愛・美・価値・快適さを象徴し、
“自分にとっての心地よさ”をもう一度見つめ直すヒントをくれます。

金星は、太陽系の中で地球に最も近い惑星。
大きさも質量も地球に似ていることから、かつては「地球の双子」と呼ばれてきました。

しかしその内部は過酷で、表面温度は約460℃。
厚い二酸化炭素の雲に覆われ、酸の雨が降る世界です。
それでも、夜明けや夕暮れの空で“明けの明星”“宵の明星”として輝く姿は、
古代から人々の心を惹きつけてきました。

太陽のそばに寄り添いながらも、
ゆるやかに、美しく光る。
その姿に、「美とは穏やかさの中に宿る」という金星の本質が見えてきます。

占星術としての金星 ― 愛・美・価値・快適さ

占星術において金星は、
愛情・美しさ・価値観・豊かさ・心地よさを司る星。

「何が好きか」「どんなものに惹かれるか」―
私たちの“感性の軸”を形づくる存在です。

人とのつながりの中で感じる愛情、
お気に入りの香りや音楽、
自分を大切に扱う小さな習慣。
それらはすべて、金星がもたらすエネルギー。

そして金星は、
「与える愛」よりも「受け取る愛」を教えてくれる星でもあります。

40代になると、
“がんばること”が習慣になっている人ほど、
「受け取る」「甘やかす」ことに戸惑うかもしれません。
でも金星が伝えるのは、
“心地よさを受け取ることこそ、人生の成熟”なのです。

40代の私時間と金星のリズム

忙しさの中で、
「心地よさ」を後回しにしていませんか?

仕事、家事、人間関係―
どれも大切だけれど、
自分の“快適さ”が置き去りになると、
心は少しずつ乾いていきます。

金星のリズムに寄り添うとは、
“小さな幸せを味わう練習”をすること。

お気に入りの器でお茶を飲む、
花を一輪飾る、
肌ざわりの良い服を選ぶ。

そんなささやかな心地よさが、
心のバランスを整え、
世界の見え方を優しく変えてくれます。

私自身も、
「美しくあること」より「気持ちがいいこと」を選ぶようになりました。
見た目より感触。
完璧より、心がゆるむ時間。

それが、金星が教えてくれた“美の成熟”なのだと思います。

惑星からのメッセージ

がんばることも素敵だけれど、
時には“受け取る勇気”を持つこと。

人からの優しさを、
自然の美しさを、
そして自分自身の心地よさを。

金星は、
もっとやさしく、自分を愛していい」とそっと教えてくれます。

今夜、空を見上げたら、
ひときわ明るく輝く金星を探してみてください。
その光は、
あなたの中の“美しさ”と“心地よさ”を思い出させてくれるはずです。

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