【緑の処方箋】スウィートフェンネル④ ― 胃にも心にもやさしい、“甘い風”のハーブ ―

④<ナチュラルケア・ハーブ>

香りのよいハーブティーを手にしたとき、
ふっとお腹が軽くなる─そんな経験はありませんか?
今回の【緑の処方箋】でご紹介するのは、
地中海沿岸を原産とする「スウィートフェンネル(ウイキョウ)」。
古代から“健胃のハーブ”として親しまれ、
今も世界中で食後のお茶や料理の香りづけに使われています。

消化を助ける、“お腹の味方”

学名 Foeniculum vulgare。
セリ科に属するスウィートフェンネルの種子には、
トランスアネトールやエストラゴールといった芳香成分が豊富に含まれています。

これらの成分には、
◎ 胃の働きを助ける「健胃作用」
◎ お腹にたまったガスを和らげる「駆風作用」
◎ 痰をやわらかくして呼吸を楽にする「去痰作用」
などがあり、まさに“内側から整える”ハーブ。

秋の始まり、食欲が戻る季節や、
乾いた空気で喉がイガイガする時期にもぴったりです。

日々に取り入れる、フェンネルの小さなレシピ

料理やティータイムに気軽に加えられるのが、フェンネルの魅力。
今回は、忙しい日にもすぐできる“ハーブのおつまみ”をご紹介します。

◎ スウィートフェンネル+プロセスチーズ
クラッカーにチーズをのせて、フェンネルをひとつまみ。
ほんのり甘く、スッキリとした香りが広がります。
食後に少し口にするだけで、重たくなったお腹を軽やかにしてくれるはず。

◎ そのままティーにしてもよい。
小さじ1杯の種子を軽く潰し、熱湯を注いで5分蒸らせば、
やさしいアニスのような香りが立ち上がります。
胃が張るときや、食べすぎた日の夜におすすめです。

母と子を支える、甘い香り

フェンネルは古くから授乳期のハーブとしても知られています。
母乳の出をよくする“催乳作用”があるとされ、
体にやさしいティーとして、産後の女性を支えてきました。

また、ドイツなどでは小児科領域でも親しまれており、
「フェンネルシロップ」「フェンネルハニー」といった形で
赤ちゃんの咳やお腹のガス対策に使われています。

甘い香りは大人だけでなく、子どもにも安心感を与えてくれる。
それが、フェンネルが“家庭のハーブ”と呼ばれる理由のひとつです。

使うときの注意点

自然の恵みであっても、体調や体質によって合わない場合があります。

● 妊娠中は使用を控える(子宮を刺激するおそれ)
● アレルギー体質の方は少量から試す
● 精油を使う場合は希釈を守る(肌への直接使用は避ける)

飲みすぎず、体の声を聴きながら取り入れることが大切です。

私の「フェンネル習慣」

◎ 食後:クラッカー+フェンネルチーズで軽いデザート代わりに
◎ 夜:フェンネルティーで1日の疲れを整える
◎ 休日:フェンネルとミントをブレンドしてリフレッシュティーに

香りを吸い込むたび、
体の奥のこわばりがふっと緩んでいくよう。
スウィートフェンネルは、まさに“甘い風”のように、
日々の暮らしにやさしく吹き抜けてくれるハーブです。

ハーブの購入は、
グリーンフラスコ公式オンラインショップ

信頼できる品質と、ていねいな情報を届けてくれるお店です。
自分の体と対話しながら、植物の力を暮らしに取り入れていく─
それが、私にとっての“緑の処方箋”です。

タイトルとURLをコピーしました