10年前の家電、電気代で損してるかも ― 買い替えの目安と、買わずに節約する方法

①【暮らしと知恵】

気がつけば、もう10年以上使っている家電がいくつもある。冷蔵庫の音が少し大きくなったり、洗濯機の脱水が甘くなったり。それでも「まだ動くから」と、なんとなく使い続けている。そんな家電はありませんか。

ここで、ひとつ考えてみたいことがあります。その家電、電気代で損をしていないでしょうか。

家電には、心地よく働いてくれる期間、つまり寿命があります。そして古い家電は、動いていても、電気を余分に使っていることがあります。買い替える費用より、使い続ける電気代のほうが高くつく。そんなことも、決して珍しくありません。「まだ動く」と「お得」は、実は別の話なのです。

この記事では、家電の寿命の目安と、買い替えるかどうかの判断材料、そして買い替えなくても電気代を下げる方法まで、まとめてお伝えします。

家電の寿命と、部品の保有期間

メーカーが定めている「補修用部品の保有期間」は、家電を修理できる年数のひとつの目安です。この期間を過ぎると、部品が手に入らず、修理が難しくなることがあります。「壊れたら直せばいい」が通用しなくなる時期がある、ということです。

家電平均使用年数部品保有期間買い替えの目安
冷蔵庫約13年9年8〜10年で故障や電気代の増加が目立ってくる
洗濯機約10年6年7〜8年でトラブルが増える。水漏れや異音はサイン
テレビ約11年8年画面の明るさの衰えが寿命の目安
電子レンジ約6〜8年8年温まりのむらや異音がサイン
エアコン約13〜14年9年7〜10年で冷えにくさや異音。掃除で長持ちさせられる
掃除機約7年6年モーターやバッテリーの衰えに注意
パソコン約5〜7年5〜6年OSの対応や性能の関係で、早めに替える傾向
炊飯器、空気清浄機約5〜8年5〜6年消耗品に近く、不具合が出たら検討

※数値は一般的な目安です。メーカーや機種によって異なるので、説明書や公式サイトでご確認ください。

この表を見ると、気づくことがあります。冷蔵庫は平均13年ほど使われているのに、部品の保有期間は9年。洗濯機は10年ほど使われているのに、部品は6年です。多くの人は、修理ができなくなってからも使い続けているのです。それ自体は悪いことではありません。ただ、壊れたときに直せないかもしれない、ということは知っておいたほうがいいと思います。

「まだ動く」けれど、買い替えのサイン

家電は、壊れる前に、静かにサインを出しています。

音が以前より大きくなったら、モーターやコンプレッサーが衰えてきているのかもしれません。電気代が上がった気がするなら、消費電力が増えて、効率が落ちている可能性があります。冷えない、温まらないといった変化は、冷蔵庫やエアコン、電子レンジで起こりやすいものです。修理の見積もりが新品の値段の半分を超えるようなら、買い替えたほうが合理的なことが多いでしょう。部品が手に入らないと言われたら、保有期間が過ぎているということで、次に壊れたら、もう直せません。

そして、次のような症状がある場合は、買い替えを考える前に、すぐに使うのをやめてください。

  • 焦げくさいにおいがする
  • 電源コードやプラグが熱くなる
  • 本体から煙が出る
  • 水漏れが続いている

火災や感電につながるおそれがあります。使用を中止して、メーカーや販売店に相談してください。

10年前の家電は、電気代が違う

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

10年前の冷蔵庫やエアコンを今の機種に替えると、電気代が1年で数千円、場合によっては1万円以上変わることもあります。家電の省エネの基準は定期的に見直されていて、メーカーは世代ごとに消費電力を下げてきました。とくに、冷蔵庫とエアコンの進歩が大きいとされています。

なぜ冷蔵庫とエアコンなのかというと、どちらも一日中、あるいは長い時間動き続けているからです。わずかな効率の差でも、1年で見ると大きな金額になります。

古い家電を使い続けることは、一見、節約のように見えます。けれど実際には、買い替えにかかる費用を、電気代の差額で取り戻せることもあるのです。使って10年を超えていて、冷蔵庫やエアコンのように動き続ける家電で、電気代が以前より上がっている実感がある。この3つが当てはまるなら、一度比べてみる価値があります。

比べ方は、難しくありません。今使っている機種の型番は、本体に貼られたシールで確かめられます。メーカーの公式サイトには、機種ごとの年間の消費電力量や電気代の目安が載っているので、今の機種と新しい機種を並べて見てみてください。メーカーや自治体のサイトには、古い機種と新しい機種の電気代を比べられるものもあります。

買い替えるか、使い続けるか

迷ったときは、4つのことを確かめてみてください。使った年数と部品の保有期間から、まだ修理できるかどうか。修理代と新品の値段を比べて、修理代が新品の半分を超えていないか。電気代や省エネの性能を比べて、長い目で見ると新しいほうが得にならないか。そして、今の暮らしに本当に合っているかどうか。

10年前と今とでは、暮らしが変わっているかもしれません。家族の人数が減ったなら、冷蔵庫は小さくてもいい。家にいる時間が増えたなら、エアコンの性能を上げる価値がある。家事の負担を減らしたいなら、乾燥機能のついた洗濯機という選択もあります。同じものを買い替えるのではなく、今の暮らしに合うものを選ぶ。この視点があると、買い替えは単なる出費ではなく、暮らしへの投資になります。

買うタイミングにも、目安があります。家電にはモデルチェンジの時期があり、新しいモデルが出る前は、それまでのモデルが安くなることが多いのです。

家電買い時とされる時期
エアコン9〜10月、2〜3月
冷蔵庫8〜9月
洗濯機6〜9月
テレビ4〜5月、8月

※メーカーや年によって変わります。決算期(3月、9月)のセールも狙い目です。

買い替えずに、電気代を下げる

「買い替えたほうがいいのは分かった。でも、今すぐは難しい」。そう感じる方も多いと思います。買い替えなくても、できることはあります。

いちばん効果が大きいかもしれないのが、電力会社の契約の見直しです。電力の自由化で、契約する会社を選べるようになり、同じ量の電気を使っていても、契約先によって料金が変わります。今のプランが暮らし方に合っているか(日中家にいないなら夜が割安なプランなど)、基本料金のもとになるアンペアの契約が大きすぎないか、ガスやインターネットとまとめた割引がないか。こうした点を見直してみてください。手続きは多くの場合オンラインで済み、工事も原則いりません。料金プランはよく変わるので、必ず最新の情報を確かめ、解約金の有無も確認しておくと安心です。

使い方を少し変えるだけでも、違いが出ます。冷蔵庫は、詰め込みすぎると冷気が回りにくくなるので、ほどほどに。熱を逃がす隙間が必要なので、壁から少し離して置き、設定を「強」から「中」にしてみる。エアコンは、フィルターを2週間に1回くらい掃除するだけで、効きがずいぶん変わります。室外機のまわりに物を置かないことや、設定温度を1℃だけ調整することも効果があります。洗濯機は、まとめ洗いにして、電気を多く使う乾燥機能を控えめに。どれも小さなことですが、積み重なると差が出てきます。

最近は、家電をレンタルやサブスクで使うという方法もあります。使う期間が決まっているとき、高い家電をまず試してみたいとき、引っ越しの予定があるときには、向いているかもしれません。ただ、長く使うと購入より割高になることもあるので、期間と金額を比べてから決めてください。

古い家電を、手放すとき

買い替えると決めたら、古い家電をどうするかを考えます。

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4つは、家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとしては出せません。新しい家電を買うお店に引き取ってもらうのがいちばん手軽で、そのほか、買ったお店に頼むか、自治体の決めた方法で処分します。いずれも、リサイクル料金と収集運搬の料金がかかります。

電子レンジや掃除機、炊飯器のようなそれ以外の家電は、自治体のルールに沿って処分します。小型家電の回収ボックスを置いている自治体もあります。

まだ使える家電なら、買取に出すという方法もあります。つくられてから5年以内で、人気のメーカーや機種、動作に問題がなく、付属品がそろっているものは、買取が期待できます。反対に、10年以上経ったものは、買取が難しいことが多いようです。それでも、処分の費用がかからないだけで助かる、と考えると、選択肢が広がります。

40代の、家電との付き合い方

40代になると、家の設備や家電が一斉に「同い年」を迎える時期があります。結婚や引っ越しのときにそろえたものが、10年、15年と経っている。それは、暮らしのリズムを整え直すチャンスでもあります。

古い家電を見直すことは、ただ新しくするだけでなく、これからの暮らし方を見つめ直すことでもあります。お手入れの楽な家電に替えて家事の負担を減らす。省エネのモデルを選んで、環境にも家計にもやさしくする。音の静かな機種を選んで、毎日の小さなストレスを減らす。そんな小さな快適を重ねることで、暮らしの質は静かに上がっていきます。

壊れてから慌てて買い替えると、比べる時間もなく、在庫のあるものから選ぶことになり、届くまでのあいだ不便な思いをすることになりがちです。とくに真夏のエアコンや真冬の給湯器は、故障が重なって、工事が数週間待ちになることもあります。まだ動いているうちに情報を集めておくだけで、いざというときの選択肢が変わってきます。

日本には、ものを大切にする文化があります。それは、とても素晴らしいことです。ただ、「もったいない」が、かえって損になることもある。電気代という視点を持つと、その線引きが少し変わってきます。

暮らしを支えてくれている家電に、「そろそろ休ませてあげようか」と声をかけるように。買い替えのタイミングは、暮らしを整えるタイミングでもあります。今日、キッチンや洗面所を少しだけ見回して、「そういえば、これは何年使っているだろう」と考えてみてください。その問いから、暮らしの見直しが始まります。

※本記事は一般的な情報のご紹介です。家電の寿命や電気代は、機種や使い方によって大きく異なります。正確な情報は、メーカーの公式サイトや取扱説明書でご確認ください。焦げくさいにおい、発熱、発煙などの異常がある場合は、ただちに使用をやめて、メーカーまたは販売店にご相談ください。

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