先日、家族の通院に向かうために利用した介助付きの介護タクシーで、30代の女性ドライバーさんと少しお話しました。
その方はこう話してくれました。 「お客さまを病院まで送り届けてから、次のお迎えまでの少しの“空き時間”を活かして、24時間営業のフィットネスジムで汗を流しているんです。事務所に戻らず、事務仕事の前に軽く体を動かして心を切り替える時間にしています」。
その言葉に、ハッとしました。隙間の時間を“ただ待つ”のではなく、「自分を整える時間」に変えていたのです。そんな暮らしの工夫があるなんて―。
その出会いが背中を押してくれて、私も「ジムに通おう」と決めました。そして通い始めてから、体の内側から流れが変わるような感覚を少しずつ掴んでいます。
体を動かすことを、“自分のため”に戻す
40代になって、在宅時間が増えているうちに、気づけば座っている時間が長くなっていました。
肩が重く感じたり、手足が冷えていたり、胃のあたりがいつもなんとなく重かったり―。
「年のせいだから仕方ない」と思っていた小さな不調が、少しずつ心と体を曇らせていました。
「このままではいけないな」「何かを変えたい」と思い立ち、週2〜3回、ジムに通い始めました。
最初は正直、続けられるか自信がありませんでした。筋肉痛になったり、「明日も行けるかな」と思ったり。でも、ステッパーやウォーキングマシンで“心拍をちょっと上げる”だけでも、体の中からじんわりと温かさが生まれ、頭がスッとクリアになる瞬間がありました。
「あ、整ったな」という実感が、ここから少しずつ芽生えました。
血流が整うと、胃も心も軽くなる
運動を始めてしばらくすると、驚くほど体が変わってきたのです。
長年感じていた胃の重さが軽くなり、冷え性も和らぎ、朝の目覚めも格段に良くなりました。
「ああ、自分の血液がちゃんと全身に酸素や栄養を届けてくれている」と実感できるようになりました。
そして、体の調子が整ってくると、気持ちまで少し軽くなって。家事の段取りがスムーズになったり、仕事に集中できたり。「今日は動こう」と思った日は、暮らし全体の巡りが良い方向に変わる―そんな実感を持つようになりました。
体を動かすことが、ただの“健康対策”ではなく、「暮らしを整える力」になると感じています。
私が大切にしている“心拍を上げる”習慣
私が意識しているのは「頑張りすぎない運動」です。
具体的には、ステッパー+軽いジョギング、ストレッチを組み合わせて、1回あたり15分ほど。
“心拍が少し上がって、呼吸が深くなる”程度が、私にはちょうどいいリズムです。
この“心拍を少し上げる”ことで、自律神経のバランスが整い、血流が促され、心身のリセットにつながっているのを感じます。
「たくさん動かなくちゃ」という焦りよりも、「続けられる強度で、無理なく巡りを起こす」ことが、40代以降の運動では大切だと実感しています。
心拍を上げると、生まれる“前向きなスイッチ”
運動を続けていると、ふと「気持ちを切り替えよう」と思える瞬間が増えました。
それは、心拍が上がることで、幸せホルモン(セロトニン・エンドルフィン)が自然と分泌されるからかもしれません。
体を動かした日は、不安や焦りよりも「大丈夫だな」と思える時間が増えてきました。
以前は「疲れたから休もう」と思いがちだったのに、今は「少し動こう」と思える。
この小さな前向きが、毎日の安定したリズムを作っています。
動くことで、心の風通しも良くなる
血流が整うと、体の内側から温まり、心もゆるんでいきます。
運動を始めてから、胃の調子だけでなく、家事や仕事にも余裕が生まれました。そして何より、自分の体と心を信じる力が少しずつ戻ってきたのです。
「年齢を重ねること=劣化」ではなく、「深みや安定を育てるチャンス」だと思うようになりました。
40代だからこそ、ここからは“自分を丁寧に整える”暮らしを楽しんでいきたい。そんな気持ちで、今日も少し体を動かして、心と体の巡りを整えています。

