『ハーブと花言葉で綴る、私時間の小さな物語』第2章:キッチン&地中海ハーブ 〜 タイム 〜

④<ナチュラルケア・ハーブ>

〜食べて楽しむ、香り豊かな整えごはん〜日々の料理に彩りとケアを。
使い方、相性の良い食材、簡単レシピと花言葉を。

40代になってから、私は“整える”という言葉の意味を、少しずつ深く味わうようになりました。
無理をして頑張るよりも、「今の自分をそのまま受け入れる」ことのほうがずっと大切だと感じるようになったのです。

キッチンに立つ時間も、ただ食事を作るためだけではなく、
香りや手触りを感じながら「心を落ち着かせる時間」へと変わりました。

そんな私のキッチンで、そっと寄り添ってくれるのが、
地中海生まれの爽やかな香り ― タイム(Thyme)。

その小さな葉に秘められた花言葉は「勇気」。
静かで、けれど確かに背中を押してくれるような、そんな香りです。

タイムがくれる“勇気の香り”

タイムの香りは、ほんの少しスパイシーで清らか。
香りを吸い込むと、すっと背筋が伸び、心の中のざわめきが整っていくのを感じます。

タイムの花言葉「勇気」「活動力」「清潔感」。
それは、誰かに見せるための強さではなく、
“自分を信じて前に進む力”のことなのだと思います。

仕事に、家事に、日々の小さな選択に追われる40代の私たちにとって、
必要なのは「無理に頑張る勇気」ではなく、
「そのままの自分で進む勇気」。

タイムの香りは、そんな穏やかな強さを思い出させてくれます。

タイムの効能とおすすめの使い方

◎ 体を整える効能

・ 抗菌・抗ウイルス作用で、風邪や喉のケアに。
・ 消化を助け、胃腸の重さをやさしくサポート。
・ 血行促進と抗酸化作用で、冷えや疲労を和らげる。
・ 抗酸化成分が、年齢とともに気になる老化にも働きかける。

◎ 心を整える効能

・ ストレスをやわらげ、穏やかな前向きさを引き出す。
・ 気分を切り替えたいとき、思考をクリアに整える。
・ “自分らしく生きる力”を取り戻す香りのサポート。

◎ おすすめの使い方

・ 鶏肉や白身魚のソテーに、タイムをひと枝添えて香りづけ。
・ トマト煮込みやスープに加えると、深みのある風味に。
・ はちみつに漬けて「タイムハニー」に。喉ケアや紅茶にもおすすめ。

火を通すと、タイムの強い香りはやわらかくなり、
体の奥にしみ込むような温かさを感じます。

“整えごはん”で、心と体を温める

忙しい日こそ、香りを感じながら手を動かす時間を大切にしたい。

私の定番は「タイム香る鶏肉とレモンのスープ」。
鶏もも肉と季節の野菜を鍋に入れ、タイムを数枝加えてコトコト煮込むだけ。
最後にレモンをひと絞りすると、爽やかな酸味とハーブの香りが調和して、
心まで軽くなるような一皿に仕上がります。

料理は、ただお腹を満たすためのものではなく、
“心を整える小さなセラピー”。
湯気とともに広がる香りが、「今日もおつかれさま」と語りかけてくれるようです。

花言葉が教えてくれる“凛として生きること”

タイムの花言葉「勇気」。
それは、大きな決断をする勇ましさではなく、
「今日も自分らしく過ごす」という穏やかな強さ。

誰かの目を気にせず、自分のペースで暮らすこと。
それもまた、人生を豊かにする“勇気”のかたちです。

今日もタイムの香りに包まれながら、
自分のためのごはんを丁寧に作る。
その静かな時間が、私の中の“勇気”をそっと呼び覚ましてくれます。

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