40代に入ると、毎日の選択や判断がぐっと増えたように感じることがありませんか。
仕事、家族、暮らし、人間関係…。どれも大切にしたいからこそ、迷いが生まれ、考えすぎてしまうこともあります。
「どれを優先すべき？」「この選択は正解？」
そんな思考の渦の中で、心がずしりと重くなる日もありました。
そんな私をそっと助けてくれたのが、日本神話に登場する 知恵の神・思兼神（おもいかねのかみ） の存在です。
思兼神は、物事を多角的に捉え、最善の道を導く“思慮と整理の神”。
今回は、この神の物語から「考えすぎてしまう40代」が知りたい、迷いを軽くする思考整理の知恵をお届けします。
思兼神とは？ ― 知恵と判断の神
思兼神は、古事記に登場する知恵の神。
天照大神が天岩戸に隠れ、世界が闇に覆われたとき、
どのように太陽の女神を外へ導くか—その“作戦”を考えたのが思兼神です。
誰も解決できなかった問題に対して、
状況を整理し、最善策を組み立てていく力。
まさに「思いを兼ねる」という名の通り、あらゆる視点から物事をとらえ、静かに道を照らしてくれる神なのです。
40代の私たちが何かを選ぶとき、優先順位が揺れ、心の中で“思い”が交錯することがあります。
そんなときこそ、思兼神の知恵がヒントになります。
“考えすぎる40代”が抱えやすい悩み
40代になると、考える内容が深く・重くなりがちです。
● 家族・仕事のバランス
● 自分の体調や将来への不安
● 人間関係の距離感
● これからの働き方
● やりたいことと、できることの差
特に、優先順位を決められないまま心が混雑してしまうのが40代の特徴でもあります。
その結果…
● 思考がグルグル回って眠れない
● 決められないまま時間だけが過ぎる
● 小さな迷いが重なって息苦しい
● 気持ちがいつもざわつく
そんな“脳の疲れ”が蓄積していくのです。
思兼神は、この「心の混雑」をほどくヒントを教えてくれます。
思兼神に学ぶ「心の棚卸し」の3つのコツ
① 迷いを“外に出す” — 頭の中を空間に置く
思兼神は、まず状況を整理するところから始めたと言われています。
私たちも同じで、悩みは頭の中にあるほど複雑になります。
書く・箇条書きにする・声に出す。
形にすることで、迷いは驚くほど軽くなります。
● 今日の不安
● 決められない理由
● 本当はどうしたいのか
外に出して初めて、気づくことがあるのです。
② 事実と感情を分けてみる — 混ざらないだけで整う
思兼神は“冷静に状況を見る目”を持つ神。
私たちも、事実と感情を仕分けるだけで、判断力が戻ってきます。
例：
・事実 → 仕事の量が多い
・感情 → 失敗が怖い、不安
この2つが混ざると、迷いの沼に落ちやすくなります。
分けるだけで、次に取るべき行動が見えてきます。
③ 一番大切なものを一つだけ決める — 優先順位を「極小化」する
思兼神が天岩戸の作戦で示したのは、“一点集中の知恵”。
40代の私たちも、すべてを完璧に選ぼうとする必要はありません。
今日の優先は何か。
「一つだけ」決めてあげると、迷いが薄れ、行動が進みます。
◎ 家族
◎ 自分の健康
◎ 仕事
◎ 休むこと
◎ 気持ちの安定
大切にしたい軸は日によって変わっても大丈夫。
“今の自分”に寄り添う選択が、最善の道をつくります。
思考が整うと、暮らしが軽くなる
思兼神の知恵が教えてくれるのは、
「迷いは悪いものではなく、整えるきっかけ」
だということ。
迷うのは、どれも大切にしたいから。
悩むのは、自分を守ろうとしているから。
40代の考えすぎは、決して弱さではありません。
ただ、“考える力”を少し整えてあげるだけで、心はふっと軽くなるのです。
今日、ほんの5分だけでも心の棚卸しをしてみませんか？
思兼神の静かな知恵が、あなたの中に眠る判断力をそっと呼び起こしてくれるはずです。
— 思兼神が教えてくれる、40代からの“迷いと仲よく生きる力”。
がんばりすぎず、自分のペースで選んでいい。
それが、心地よく暮らすための何よりのヒントなのかもしれません。
