40代の私が選び直した“添加物との向き合い方”第14回:家族にも広げる“整える食卓” ― 押し付けない無添加の伝え方と共有の工夫

③【食・オーガニック・健康食】

40代に入り、食べたあとの体感や気分の変化がとても分かりやすくなりました。
私自身は「ゆるい無添加生活」が心地よく、体調も安定してきましたが、ふと気づいたのです。

“家族の健康も気になるけれど、押し付けたくはない”という気持ちとの揺れ。

食生活の価値観は人それぞれ。
同じ家に暮らしていても、食べものの優先順位や嗜好は少しずつ違います。
だからこそ、無理なく、やさしく、自然と家族に広がっていく「整える食卓」を目指すようになりました。

この記事では、
・家族への無添加の“伝え方”
・押し付けない共有のコツ
・子どもと無添加の向き合い方
・パートナーと続けるゆるい食育
を、私の実体験からまとめていきます。

家族に押し付けてしまった“最初の失敗”

無添加生活を始めたばかりの頃の私は、「良いと思ったからこそ」家族にもすすめてしまっていました。

・その調味料よりこっちの方が体に良いよ
・そのお菓子はあまりおすすめしない
・なるべく無添加のものにしよう

言い方はやさしくても、家族からしたら
“選択を制限されている”
と感じさせていたのだと思います。

ある日、パートナーから
「あなたが作るものは好き。でも、全部を変えられるとちょっとしんどい」
と言われ、ハッとしました。

その瞬間から、私は
“伝えるより、整える環境をそっと用意する”
という方向に切り替えたのです。

押し付けない共有のコツは3つだけ

① 否定しない。ジャッジしない。

「それは体に悪いよ」ではなく、
「こっちの方が私は調子が良かったよ」
と“自分ベース”で伝える。

気持ちよく続けてもらうには、自由な余白が必要でした。

② 変えてほしい部分ではなく“変えなくていい部分”を見る

無添加に対して温度差があるのは当たり前。
「全部変えてもらおう」と思わないことで、家族のストレスも私のストレスも減りました。

③ 言葉より“選びやすい環境”をそっと置く

・無添加のだしパックを常備
・砂糖不使用のおやつを見える場所へ
・味噌汁など“体に優しいもの”を増やす

言葉で説明するよりも、
自然に選べるようにする方が、家族はスムーズに変わります。

自然と広がる“整う食卓”。伝えるより、見せる

いちばん効果があったのは、
ただ私が気持ちよく続けることでした。

無添加の調味料で作る味噌汁の香り。
シンプルな原材料の
米粉パンのやさしい味。
ナッツやフルーツのおやつの満足感。

こうした“美味しい経験”が家族の中に積み重なると、
「最近こっちのほうが体が楽だね」
「この味、好きだからまた買って」
と自然に声が出るようになりました。

無理に変えようとすると反発が起きる。
でも、家族は“美味しい”“体が楽”という実感があると、自然と動き出してくれます。

子どもと無添加。“完璧にさせない”食育という考え方

もし子どもがいる家庭なら、特におすすめしたいのが
“完璧を求めない”無添加の教え方。

子どものおやつは、友達との関係も大切。
禁止しすぎると反動でこっそり食べる…なんてことも。

だから私は、
「食べていい・ダメ」ではなく
“食べたあと体がどう感じるか”
を一緒に考えるようにしています。

食育は、管理ではなく“気づき”だと感じています。

パートナーと続ける。ゆるい共存スタイル

パートナーに無添加を共有するコツは、
選択肢を増やすだけでコントロールしないこと。

・朝だけ無添加の味噌汁
・お弁当だけ無添加の調味料
・おやつは週に数回好きなものをOK

この“選べる余白”があると、続けやすいと言ってくれました。

私自身もラクですし、家庭の空気が柔らかくなりました。

40代だから気づける。家族と整える食卓の喜び

40代は、家族の健康を見直す時期でもあります。
仕事・
家族お世話・介護…と役割も増えるからこそ、

“整える食卓”が家族の安心になる。

無添加を完璧にする必要はありません。
誰かに強制する必要もありません。

ただ、
・選び方を軽く整える
・家族の自由を守る
・まず自分が整った状態を見せる

そんな小さな積み重ねが、
未来の健康をつくる“家族の食卓”になっていくのだと感じています。

【関連記事】
▷ 第1話:「見えない存在」とどう向き合う?食品添加物を“怖がらずに選ぶ”ための最初の一歩
▷ 第2話:保存料の役割と選び方。私が“長期保存=安心”を手放した理由
▷ 第3話:甘味料の落とし穴。アスパルテームの実態と“甘さとのつき合い方”
▷ 第4話:カラフルな誘惑。着色料が私たちの体に与える影響
▷ 第5話:酸化防止剤って何?“酸化しない暮らし”を考える
▷ 第6話:乳化剤・増粘剤・ゲル化剤という“静かな支え手”たち
▷ 第7話:pH調整剤・凝固剤という“影の主役”たち
▷ 第8話:調味料(アミノ酸等)ってなに?「うま味」が気になるあなたへ
▷ 第9話:香料・酵素・栄養強化剤はどう見る?一見安全な添加物とのつき合い方
▷ 第10話:調味料から見直す。無添加に一歩近づく“台所の整え方” ― 40代の私が選び直した、味と暮らしのバランス
▷ 第11回:お菓子とどう付き合う?グルテンフリー無添加おやつの取り入れ方|40代から始める“ゆる無添加・米粉おやつ”の工夫
▷ 第12回:外食・テイクアウトを楽しむ“整える選び方”|完璧を目指さない40代のゆる無添加外食術
▷ 第13回:添加物を減らして感じた心と体の変化|私のビフォーアフター

タイトルとURLをコピーしました