40代になってから、
「きちんと生活しているはずなのに、なぜか疲れが抜けない」
「検査では問題ないと言われたけれど、体調が安定しない」
そんな感覚を覚えることが増えてきました。
怠けているわけでも、努力が足りないわけでもない。
むしろ、ちゃんとやっている。
それなのに、どこか無理をしている感じが消えない—
以前の私も、そんな状態でした。
この違和感を考える中で、少しずつ腑に落ちてきたのが、
「自分とのズレ」という視点です。
今回から、
「40代からの“無理しない自己一致”と心身の健康」
というシリーズを始めることにしました。
このシリーズでは、
スピリチュアルな考え方に寄りすぎることなく、
心理学や心身相関の視点から、
- なぜストレスが体に出るのか
- なぜ回復力が落ちるのか
- どうすれば無理なく整っていくのか
を、40代の暮らしに引き寄せて言葉にしていきます。
がんばっているのに、なぜ苦しいのか
心理学には、
自己不一致(self-incongruence)という概念があります。
これは、
「自分が本当に大切にしている価値観」と
「実際に選んでいる行動や役割」が
一致していない状態を指します。
たとえば、
- 本当は静かに過ごすのが好きなのに、常に人に合わせている
- 体は休みたがっているのに、「まだ大丈夫」と無視し続ける
- 興味や意味を感じられないことを、義務だからと続けている
こうした小さなズレが続くと、
心は知らず知らずのうちに緊張を抱えたままになります。
ズレは、体からサインとして現れる
この慢性的な緊張状態は、
自律神経やホルモンバランスに影響し、
- 疲れが取れにくい
- 眠りが浅い
- 血流が悪くなる
- 回復に時間がかかる
といった形で、体に表れてくることがあります。
40代になると、
若い頃のように無理がきかなくなり、
こうしたズレが「不調」として表面化しやすくなります。
これは、衰えというよりも、
体が正直になった結果なのかもしれません。
「本質」とは、特別なものではない
ここでいう「本質」とは、
特別な使命や才能の話ではありません。
心理学的に言えば、
自分が心の奥で自然に大切にしている感覚や価値観のこと。
安心したい、静かに考えたい、学びたい、
誰かの役に立ちたい、一人の時間がほしい—
そうした、ごく個人的で素朴な欲求です。
それを長い間後回しにしていると、
心と体の間に、少しずつ歪みが生まれていきます。
病気になる前に、見直せることがある
もちろん、
すべての病気や不調が心の問題だ、という考え方には賛成できません。
それは危険です。
ただ、
原因がはっきりしない不調が続くとき、
生活習慣の改善だけでなく、
「自分の本音をどれくらい無視しているか」
を振り返る余地はあると感じています。
心と体は別々ではなく、
同じ方向を向いて動いています。
無理しない自己一致という考え方
自己一致というと、
「理想の自分になること」
「好きなことだけして生きること」
のように聞こえるかもしれません。
でも、40代からの自己一致は、
もっと静かで、現実的なもの。
大きな決断をしなくてもいい。
環境を壊さなくてもいい。
ただ、
「これは本当に納得している?」
「体は今、どう感じている?」
そんな問いを、自分に向けること。
それだけでも、
心と体の緊張は少しずつ緩んでいきます。
このシリーズでは、
がんばらないことを推奨するのではなく、
ズレたままがんばり続けないための視点を、
ひとつずつ整理していきます。
40代からの心地よい暮らしのために、
まずは「自分とズレていないか」を
そっと確認するところから始めてみたいと思います。

