40代になって、
自分の体調だけでなく、
家族それぞれの「ちょっとした不調」が気になるようになりました。
夫は疲れが抜けにくそうだったり、
親世代は冷えや食欲のムラを感じていたり。
子どもは元気だけれど、季節の変わり目に体調を崩しやすい。
「みんなに合わせて、別々の食事を作るのは大変」
でも、
「同じごはんで、少しでも整えられたらいいな」
そんな思いから、
私は薬膳を“特別な養生”ではなく、家庭のごはんの考え方として
取り入れるようになりました。
今回は、
家族みんなで無理なく続けられる
薬膳の視点と、実践しやすい一品をご紹介します。
薬膳を“家族の健康管理”に活かすという考え方
薬膳というと、
「体質別」「症状別」と、
少し難しく感じるかもしれません。
でも家庭の薬膳は、
完璧に合わせる必要はないと私は思っています。
・最近疲れていそうだな
・冷えやすくなってきたな
・胃腸が弱っていそうだな
そんな小さな気づきを、
食事で“少しだけ補う”。
それだけで、
体はちゃんと応えてくれます。
家族それぞれに起きやすい不調のヒント
薬膳の視点で見ると、
年齢や生活リズムによって、
整えたいポイントが少しずつ違います。
子ども
・胃腸が未熟
・疲れやすい
→ 消化にやさしく、温かいものを中心に
夫世代(働き盛り)
・気血の消耗
・ストレスによる巡りの滞り
→ たんぱく質と温める食材で土台づくり
親世代
・冷え
・潤い不足
→ 温補(おんぽ)と滋養を意識した食材を
すべてを分けるのではなく、
“みんなに共通してやさしいもの”を選ぶ
それが家庭薬膳の基本です。
年齢も体質も違っていい、家庭薬膳のコツ
家族全員に完璧な食事は作れなくても、
・温かい
・消化しやすい
・安心できる味
この3つがそろっていれば、
それはもう立派な薬膳だと思っています。
「誰かの不調を治すごはん」ではなく、
「今日を無事に終えるためのごはん」。
その感覚が、
長く続けられる秘訣です。
“家族の整うスープ”という選択
我が家でよく作るのが、
具だくさんのスープ。
スープは、
・体を温める
・消化の負担が少ない
・量の調整がしやすい
という、
家族向け薬膳にぴったりの存在です。
今日は少し疲れているな、という日に
迷わず選べる一品があると、
作る側の気持ちも整います。
ねぎと鶏の滋養スープ
家族みんなで食べやすく、
体を芯から温めてくれるスープです。
【材料】
・鶏もも肉
・長ねぎ
・生姜(少量)
・水
・塩(少々)
【作り方】
材料を鍋に入れ、
弱めの火でコトコト煮るだけ。
鶏肉は気血を補い、
ねぎと生姜は巡りを助け、
冷えや疲れをやさしく和らげます。
味付けは控えめでも、
不思議と「足りない」と感じません。
家族を思うことが、いちばんの薬になる
薬膳を学んで感じるのは、
食材の効能以上に、
「気にかけること」そのものが整えになるということ。
今日も無事に食卓を囲めた。
それだけで、
体も心も、少しずつ養われていく。
家庭のごはんは、
完璧じゃなくていい。
やさしく続けられることが、
いちばんの養生だと感じています。
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