「鉄をとりましょう」
貧血といえば、まず浮かぶこの言葉。
私も長いあいだ、
鉄さえ補えばいいと思っていました。
レバーを食べる。
サプリメントを試す。
鉄入りの食品を選ぶ。
けれど思ったほど、
体は軽くなりませんでした。
そのとき、ようやく気づいたのです。
血は、鉄ひとつでつくられているわけではない。
“チーム”で動いているのだと。
鉄は主役。でも、ひとりでは働けない
鉄は、ヘモグロビンの材料。
酸素を全身に運ぶために欠かせない存在です。
けれど鉄は、
単独では血液になれません。
材料があっても、
組み立てる力がなければ形にならない。
私はそこを、
見落としていました。
たんぱく質という「材料」
血液は、たんぱく質からできています。
ヘモグロビンも、
鉄+たんぱく質で構成されています。
鉄だけを増やしても、
土台となるたんぱく質が不足していれば、
うまく作られません。
・朝はコーヒーだけ
・昼は軽く栄養バーで済ます
・夜も量が少なめ
そんな日が続くと、
知らないうちに材料不足になります。
40代は、
食が細くなりやすい時期。
「ちゃんと食べているつもり」が、
足りていないこともあると気づきました。
葉酸とビタミンB12という設計図
葉酸とビタミンB12は、
赤血球を“正しく成熟させる”ために必要な栄養素です。
どちらかが不足すると、
大きく未熟な赤血球ができてしまい、
うまく酸素を運べません。
疲れやすさや息切れは、
鉄不足だけが原因とは限らない。
血を育てるための設計図が、
うまく働いていない可能性もあるのです。
年齢を重ねると、
胃の働きがゆるやかに低下し、
B12の吸収が落ちることもあると言われています。
「食べているのに足りない」
その背景には、
こうした変化もあるのかもしれません。
亜鉛という裏方の存在
亜鉛は、
細胞分裂やたんぱく質合成に関わるミネラル。
血をつくる過程でも、
静かに支えています。
不足すると、
食欲低下や免疫力の低下にもつながり、
全体のバランスが崩れやすくなります。
鉄ほど注目されないけれど、
いないと回らない。
チームの“縁の下の力持ち”のような存在です。
どれか欠けると、回らない
鉄。
たんぱく質。
葉酸。
ビタミンB12。
亜鉛。
どれかひとつを極端に増やしても、
全体が整わなければ、
血づくりはうまく回りません。
それはまるで、
歯車のかみ合わせのよう。
ひとつでも欠けると、
音を立てて止まってしまう。
私が感じていた「改善しきらない不調」は、
この“部分的な補い方”が原因だったのかもしれません。
食事全体で考えるという視点
そこから私は、
「鉄をとる」から
「血を育てる食事をする」へと
視点を変えました。
特別なことではありません。
・主菜を抜かない
・野菜や豆類を組み合わせる
・極端な制限をしない
食事を“栄養素単体”で見るのではなく、
一皿のバランスで考える。
40代からの貧血ケアは、
足し算ではなく、整え直すこと。
血は、チームでつくられる。
そう思えるようになってから、
私は少しだけ、
食事に対してやさしくなれました。
完璧でなくていい。
でも、偏りすぎない。
それが、
今の私にできる現実的なケアなのだと思います。
【関連記事】
▷ 第5回|私の場合はどれ?— 貧血タイプを整理してみる —
