40代の私が選び直した“添加物との向き合い方”第7話:pH調整剤・凝固剤という“影の主役”たち

③【食・オーガニック・健康食】

暮らしを丁寧に整える中で、私はいつの間にか、表に出にくい存在にも目を向けるようになりました。今日は、豆腐や加工食品にも潜む “陰の主役” として、pH調整剤 や 凝固剤 について、私が感じること・選び直したいことを、静かに紡いでみたいと思います。

pH調整剤・凝固剤とは? その“役割”をそっと知る

まず、それぞれの役割を確認しておきましょう。

pH調整剤 は、食品の酸性/アルカリ性を調整し、味や色、品質の安定性を保つために使われます。

凝固剤 は、ゼリー・豆腐・チーズなどの素材を“固める”ために使われる成分です。
たとえば、豆腐ではにがり(塩化マグネシウム)やグルコノデルタラクトン(GDL)などが知られています。

このような成分があるからこそ、なめらかな口当たりや崩れにくさが保たれたり、商品としての見た目を整えたりすることが可能になります。ただし、“安定させる力”を持つがゆえに、その裏側にはさまざまな処理や混合が関わっていることもあります。

一括表示で隠れる“影の主役”たち

加工食品のラベルを眺めると、「pH調整剤」「凝固剤」とだけ記載されていることが多く、具体的な物質名がわからないことがあります。
たとえば、pH調整剤には「リン酸ナトリウム」「クエン酸Na」「炭酸水素ナトリウム」などが、凝固剤には「塩化マグネシウム」「グルコン酸第一鉄」などが使われるケースがあります。
このような総称表示は、複数の成分を含んでいる可能性を隠しがちです。

だからこそ、私はラベル表記にちょっと立ち止まるようになりました。「pH調整剤(クエン酸Naなど)」と具体的に記されているかどうか、「凝固剤(GDLなど)」といった注記があるかどうか。ここに小さな選び方のヒントが隠れていると思うのです。

安全性と留意したい視点

法律の定める基準内で使われる添加物は、通常、重大な即時の健康被害を引き起こすことは多くありません。ですが、下記のような視点は、40代以降の暮らしを整えるうえで大切にしたいと思います。

複数併用・長期摂取の影響:単体では安全でも、複数の成分を日々取り続けることの長期的な影響には、未解明な部分があります。

個人差・感受性:敏感肌やアレルギー傾向のある方には、微量でも体が反応を感じることがあります。

表記の曖昧さ:総称表示により、具体的な成分が見えない場合、何を避けているか判断しづらくなります。

腎機能やミネラルバランスへの配慮:特にリン酸塩系のpH調整剤は、腎臓に負担をかける可能性が指摘されることもあります。

これらを踏まえると、「すべてを排除する」ことよりも、「自分なりの線引き」を持つことが、無理のない暮らし方には欠かせないと感じています。

私が選び直した、穏やかな向き合い方

暮らしの中で、少しずつ以下のような選択を取り入れるようになりました。

豆腐を選ぶ際は、「にがり使用」「非GMO」「製法が明記されているもの」など、表示が明確なものを優先する

◎ 加工食品の購入頻度を意識的に減らし、できる範囲で“素材から調理”する時間を楽しむ

◎ pH調整剤が記載されていないものを選ぶ、あるいは酸味を自然素材で補う(例:自然な果汁)

◎ ラベルをチェックする行為を、「学び」や「自分へのやさしい問いかけ」と捉えるようにする

これらの選択を積み重ねることで、心と体にゆとりが生まれてきたように感じます。

今日から始められる、小さなヒント

◎ 豆腐を買うとき「凝固剤(何を使っているか)」を確認してみる

◎ 加工食品を選ぶ時、pH調整剤や凝固剤という表記があれば一歩立ち止まる

◎ 自家製ゼリーや豆腐を手作りして、添加物を使わない素材の力を味わってみる

◎ 食卓に、発酵食品や繊維質のある食材を意識的に加える

◎ ラベルを見るときは、「何を選ぶか」だけでなく、「自分の体の声を聞く時間」にする

静かに選ぶ、食卓を整えるということ

pH調整剤や凝固剤という名前は、私たちの目には映りづらく、影のようにそこにあるかもしれません。でも、その静かな存在に少しだけ意識を向けることで、私たちの日常は少しずつ変わっていくように感じています。

すべてを遠ざけることが豊かさとは思いません。むしろ、「何を受け入れて、何を問い直すか」を、静かに柔らかに選ぶことが、40代からの“整える暮らし”には似合っているように思います。

今日も、あなたの食卓にそっと余白が生まれますように。

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