日々の暮らしの中で、ふと「時間に追われている」と感じる瞬間はありませんか?
やることは次々と押し寄せ、スマートフォンには通知が絶えず届く。
そんなとき、私はハワイの風景を思い浮かべます。
波のリズム、鳥の声、風が肌をなでる感覚。
この連載「癒しの風を暮らしに」では、ハワイの伝統文化とロミロミの智慧を通じて、“心と体の整え方”をお届けしています。
今回は、「Alohaの本当の意味」と、ハワイ独特のゆったりした時間感覚「Island Time」についてご紹介します。
それは、忙しさに振り回されがちな私たちにこそ必要な、“癒しのヒント”です。
Alohaとは、あいさつ以上の「生き方」
「アロハ〜」という言葉を耳にすると、笑顔や南国の陽気さを思い浮かべる方も多いと思います。
でも、Aloha とは、ただの挨拶ではありません。
ハワイ語では、
◎ 「Alo」=顔、存在、共にある
◎ 「Ha」=息、生命のエネルギー
つまり、Alohaとは「命の息を分かち合う」「相手と“今ここ”でつながる」ことを意味する、深いスピリチュアルな言葉なのです。
さらに、ハワイ州では「Aloha Spirit 法」という法律の中で、Alohaの精神(思いやり・優しさ・謙虚さ・忍耐・調和)を行政にも求めています。
これは、社会全体が「調和」を大切にする文化のあらわれ。
人との関係だけでなく、自分自身への優しさも、このAlohaに含まれているのです。
Island Time:時計にしばられない、癒しの時間感覚
ハワイでよく耳にするもうひとつの言葉が、「Island Time(アイランドタイム)」。
これは、時間を分単位できっちり刻むのではなく、自然や人との関わりに合わせてゆるやかに過ごすスタイルのこと。
約束の時間に少し遅れても、「今の流れを大切にした結果だから」と受け入れられるこの感覚。
そこには、「今ここにある豊かさを味わう」という、シンプルだけれど深い哲学があります。
私がロミロミを学んでいたとき、師匠から繰り返し言われたのは、
「自分の内側と調和していなければ、人を癒すことはできない」ということでした。
時間に追われ、自分の呼吸を忘れてしまったときは、一度立ち止まって“自分のリズム”に戻る。
それこそが、Island Timeの知恵なのだと思います。
AlohaとIsland Timeを、暮らしに取り戻すヒント
では、この心地よいハワイの感覚を、私たちの暮らしにどう取り入れられるのでしょうか?
小さなことから始めてみてください。
◎ 予定のない15分間を、意識的につくってみる
◎ 誰かと会話するときは、目を見て、呼吸を合わせてみる
◎ 「今、自分はどう感じている?」と一日に一度、自分に聞いてみる
それだけで、「今ここ」に自分を戻すきっかけになります。
時間を支配するのではなく、時間とともにある暮らし。
それは、40代の私たちがこれからもっと心地よく、丁寧に生きるためのヒントになるのではないでしょうか。
癒しの時間は、自分の内側から生まれる
AlohaとIsland Timeの哲学は、「がんばり続けることだけが正解ではない」と私たちにそっと教えてくれます。
心と体を整えるには、外からの情報をシャットアウトし、自分自身と穏やかにつながる時間が必要です。
そしてその時間は、自分で“選び取る”ことができるのです。
あなたの今日に、少しだけ「癒しの風」が吹きますように。