40代を迎えてから、「これまでの自分ではいられない」と感じる瞬間が増えました。
体の変化、仕事での責任、家族との関わり。どれも大切にしたいのに、心がついていかない―。
そんなとき、ふと心の奥から湧いてくるのが「怒り」「不安」「悲しみ」といったネガティブな感情です。
でも、それらを“悪いもの”として無理に押し込めると、かえって心が疲れてしまいます。
今日はそんな“影”との向き合い方を、古代の神「天津甕星(あまつみかぼし)」の神話を通して見つめてみたいと思います。
天津甕星とは? ― “光に逆らった星”が伝えるメッセージ
天津甕星は、日本神話に登場する星の神。
天照大神に従わず、最後まで抵抗したことから「反逆の神」とも呼ばれています。
古くは「禍(まが)をもたらす星」と恐れられてきましたが、
その本質は“壊す力”ではなく、新しい秩序を生み出す再生のエネルギーだと言われています。
私たちの中にも、同じような力があります。
自分を変えたい、今の状況を抜け出したいと願うとき、
まず現れるのは「葛藤」や「不安」といった“影の感情”。
それこそが、心の奥に眠る変化のサインなのです。
“ネガティブ”を敵にしない ― 感情を整えるという考え方
怒りも悲しみも、不安も、私たちが生きている証。
40代の心と体はとても繊細で、
無理を重ねたり、我慢を続けたりすると、すぐにサインを出してくれます。
たとえば、
「なんだかやる気が出ない」
「イライラして家族にあたってしまった」
そんなとき、自分を責めるのではなく、
“今、心が何かを伝えようとしている”と受け止めてみる。
天津甕星が象徴するのは、
まさにこの影との対話。
感情を押さえつけるのではなく、静かに認めて、光へと変えていく力です。
感情を整える3つの小さな習慣
① まずは「そう感じている自分」を認める
「怒ってはいけない」「落ち込んではいけない」と思うほど、感情は強くなります。
「私は今、悲しいんだな」「怒っているんだな」と言葉にするだけで、心が少し緩みます。
② 動いて流す
散歩、掃除、軽いストレッチ。
体を動かすことで、頭の中に溜まっていたモヤモヤが動き出します。
朝の光を浴びながら深呼吸するのもおすすめです。
③ エネルギーを“創造”に変える
怒りのエネルギーを掃除や料理、書くことに向けてみる。
悲しみを音楽や香りで包んでみる。
「壊す力」を「整える力」に変えることが、心の再生につながります。
“影”と共に生きることは、しなやかに生きること
天津甕星の存在は、光と影の両方を抱えながら生きる私たちに、
“どんな感情も自分の一部”であることを教えてくれます。
完璧じゃなくていい。
笑顔の日も、涙の日も、どちらもあなたという物語の大切なページ。
ネガティブな感情を排除するのではなく、
「今、私は何を感じているのか」を静かに見つめる時間が、
40代の私たちにとって、何よりの“心の整え時間”なのかもしれません。
今日も、自分の中の小さな光と影を、やさしく抱きしめながら。
それが天津甕星が教えてくれる、“統合の生き方”です。
