40代からの「ストレスと共存する体づくり」第3回

④【美容・健康】

自律神経は「強くする」ものではない ― 副交感神経が働けなくなる本当の理由 ―

「自律神経を強くしましょう」
「副交感神経を優位に」

そんな言葉を、よく目にします。

けれど40代の不調を見ていると、
少し違う視点が必要だと感じます。

自律神経は、
鍛えて強くするものではありません。

本来は、
状況に合わせて“自然に切り替わる”仕組み。

問題は、
そのスイッチが入らなくなることです。

今回は、
自律神経にまつわる誤解をほどく回。

整えるとは何かを、
一緒に見直してみましょう。

慢性ストレスで回復スイッチが入らなくなる

強いストレスを受けると、
体は交感神経を優位にして対応します。

心拍を上げ、
血管を収縮させ、
集中力を高める。

これは正常な反応です。

問題は、
その状態が“長く続く”こと。

慢性的なストレス下では、
体が緊張を通常モードだと
勘違いしてしまいます。

すると、
夜になってもスイッチが切り替わらない。

副交感神経が働く余地がなくなり、
回復モードに入れなくなるのです。

自律神経が弱いのではなく、
切り替えの余白が失われている。

ここが、大切なポイントです。

休んでいるのに疲れが抜けない理由

「ちゃんと寝ているのに疲れる」
「休日なのに回復しない」

それは、
体が横になっているだけで、
神経が休めていない状態かもしれません。

スマートフォンを見ながらの休息。
頭の中で続く考えごと。
“何もしない”ことへの罪悪感。

副交感神経は、
安心と安全を感じたときに働きます。

つまり、
単に止まることと、
安心することは違うのです。

休息とは、
時間の問題ではなく、
神経の状態の問題。

ここを取り違えると、
「休んでいるのに疲れる」状態が続きます。

「リラックスしよう」が逆効果になるケース

「リラックスしなきゃ」
「力を抜かなきゃ」

そう思えば思うほど、
うまくいかないことがあります。

慢性ストレス状態の体は、
緊張が当たり前になっています。

そこに急に
「ゆるめよう」と働きかけると、
かえって不安が強まることもあります。

無理に副交感神経を上げようとする。
深呼吸を頑張る。
瞑想を“成功させよう”とする。

それ自体がプレッシャーになる。

整えるとは、
操作することではありません。

整える=緩める、ではない

よくある誤解が、
「整える=とにかく緩める」こと。

でも実際は、
“行き来できること”が整った状態です。

緊張が必要なときは集中できる。
休むときは自然に落ち着ける。

どちらか一方に固定されないこと。

40代の体づくりで大切なのは、
副交感神経を上げ続けることではなく、
スムーズに戻れること。

そのために必要なのは、

・生活リズムを一定にする
・光と暗さのメリハリをつける
・刺激を減らす時間をつくる

といった、
“環境を整える”ことです。

神経は、
意思より環境に影響されます。

自律神経は“戻れる力”

自律神経を強くするのではなく、
戻れる体をつくる。

それが、
ストレスと共存するということ。

ずっと緊張しない。
ずっとリラックスしない。

どちらにも偏らず、
揺れながら戻る。

40代は、
ホルモンの変化も重なり、
揺らぎやすい時期です。

だからこそ、
「うまく整えられない自分」を責めないこと。

副交感神経が働かないのは、
あなたが弱いからではありません。

頑張り続けてきた証かもしれない。

整えるとは、
無理に緩めることではなく、
安心できる条件を増やすこと。

このシリーズのテーマは、
ストレスをなくすことではなく、共存すること。

強くならなくていい。
ただ、戻れるように。

それが、
40代からの体づくりの軸になります。

焦らず、
静かに整えていきましょう。

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