40代に入り、なんとなく「前より疲れやすくなったな」と感じる日が増えました。
朝の目覚めが重く、体が冷えやすくなり、肌のハリや髪の艶も少しずつ変わっていく。
「これが年齢を重ねるということなんだな」と、どこかで納得しながらも、
心のどこかに小さな不安を抱えていました。
そんなとき、ふと頭に浮かんだ言葉があります。
「40代は“血流が肝”なんですよ。」
女優の石田ゆり子さんが、テレビで話していたひと言。
私は当時30代後半で、「そうなんだ」と軽く聞き流していました。
けれど5年以上経った今、40代前半の自分が、その意味をようやく実感しています。
巡りが滞ると、心まで冷えていく
血流は、体のすみずみに酸素や栄養を運び、不要なものを流してくれる“体の川”。
この流れが滞ると、冷えや肩こり、肌のくすみだけでなく、
「なんとなくやる気が出ない」「気分が沈む」といった心の不調にもつながります。
私自身、40代に入ってから季節の変わり目に体調を崩しやすくなり、
PMS(月経前症候群)の揺らぎも強くなりました。
どれも小さな変化ですが、体が「流れを整えて」と訴えていたのだと思います。
血の巡りが滞ると、心まで冷えていく。
けれど、流れが整うと気持ちまで軽くなり、前向きな感情が戻ってくる。
それはまるで、体と心が同じリズムで呼吸しているような感覚でした。
血流を整えることは、自分をやさしく扱うこと
血流を良くするために、特別なことをしているわけではありません。
ただ、体を「急がせない時間」を少しだけ意識しています。
◎ 朝、温かい飲み物をゆっくり飲む
◎ 湯船に15〜20分でも浸かる
◎ 着圧ソックスを避け、締めつけない服を選ぶ
◎ 温かい汁物を一椀添える
◎ 隙間時間に、踵を上げ下げしてふくらはぎを動かす
ほんの小さな習慣でも、続けていくうちに体のめぐりが整い始め、
手足の冷えが減り、顔色や肌の血色もやさしく変わっていきました。
「血流を整える」というのは、
自分をやさしく扱い、労わることでもあるのだと気づきます。
「血流が肝」という言葉の本当の意味
東洋医学でいう「肝」は、血を貯め、全身の“気”の流れを調整する臓。
そして“肝”は「怒り」「焦り」「緊張」といった感情にも深く関わっています。
つまり「血流が肝」というのは、
単に“体の巡り”のことだけではなく、“心の巡り”を滞らせないこと。
頑張りすぎて呼吸が浅くなったとき、
焦って体が固まるとき、
そんな瞬間こそ、「流れを止めないように」と、自分に優しく声をかけます。
40代は、体と心を“流す”時期。
完璧を目指すより、自然に、やわらかく流れることを大切に。
血流を意識することから、“整う暮らし”は始まる
40代になって、“整える”という言葉の意味が変わってきました。
以前は「頑張って整える」だったのが、
今は「流れを感じて整える」。
「最近、疲れが取れにくい」「気分が沈みやすい」—
そんなサインを感じたら、体の中の“血の流れ”を思い出してみてください。
血流を整えることは、心と体のバランスを取り戻す第一歩。
それは、40代からの私たちがもっと軽やかに生きるための、
やさしいリセット習慣なのかもしれません。

