40代に入ってから、気づけば手足の冷えが定番になっていました。夜、布団に入ると足先がなかなか温まらない。靴下を重ねても、冬だけでなく春先にもなんとなく冷える感じ。温活グッズを取り入れて、冷えと戦ってきたのに、「なんだか根本的には変わっていないな」と感じる自分もいました。
そんな折、「ただ温める」だけでは、実は血流の巡りまでは整わないということに気づいたのです。体の“めぐり”をつくるには、温めたあと、血液を「流す・巡らせる」ことがカギになります。今回は、40代女性が感じやすい冷えと血流の関係を、自分の暮らしの中でどう「整える」か、そのヒントをご紹介します。
「温めても冷える」のはなぜ?
冷え対策として、腹巻き・湯たんぽ・靴下の重ねばきなど、外からの温めを重ねてきた私。しかし、温まったように感じても、指先が冷たくなったり、夜中に覚醒したり…。その原因の一つが、血管や筋肉がこわばり、血液の巡りが滞っていることです。特に40代に入ると、ホルモン変化や運動量の低下、自律神経の乱れで“流す力”が落ちがち。体を温めても、その熱を全身に運ぶ血の流れがスムーズでなければ、根本的な改善にはつながらないのです。
“流す力”を高める3つの巡り習慣
① 温め+動かす
例えば夜、靴下を重ねる代わりに、ふくらはぎを軽く上下させるストレッチを加えます。足首を回す、かかとを上げ下げする、そのたった1~2分で“第二の心臓”ふくらはぎがポンプの役割を始めます。温めた血液を脚からお腹・上半身へと送り出す、小さなけれど確かな習慣です。
② 巡る食材で内から整える
私が選ぶのは、ショウガ・シナモン・黒豆・ねぎ・にんじんなど、血流を意識できる食材。冷えを感じた日は、ショウガをたっぷり入れた味噌汁や、黒豆茶にほっこり。これらは“温活食材”でありながら、血の巡りを支える自然のサポーターです。食べることで、体の内側から整える習慣をつくります。
③ 呼吸で巡りを整える
忙しい毎日、“ながら”で深く呼吸をする時間って案外ないもの。朝、窓をひとつ開けて、鼻からゆっくり吸って、口から長く吐く。この「呼吸を意識するひととき」が、血液循環を促し、自律神経をゆるめてくれます。血流が整うと、心も自然と穏やかになります。
体と心、両方をゆるめることの大切さ
冷える=体だけの問題、と思いがちですが、実は“心のこわばり”も巡りを止める大きな原因です。例えば「明日までにこれを終わらせなきゃ」 「誰かと比べて私って…」と心が張りつめていると、筋肉は硬くなり、血管も縮まってしまいます。だからこそ、湯船にゆっくり浸かる、香りを楽しむ、好きな音楽をかける―そんな“ゆるむ時間”をつくることが、巡る体を育てる第一歩です。
私が実感した「温め+巡らせる」暮らしの変化
この習慣を続けて数週間。朝の目覚めが少し軽くなり、手先の冷たさが気にならなくなりました。そして驚いたのは、気持ちの“滞り”までがほどけていく感覚。「今日は調子が悪いかも」と感じる日でも、小さな呼吸や足の動きが“流れ”を呼び起こし、「それでも大丈夫」という余裕が生まれたのです。
ゆるやかに、流れとともに生きる
冷えは、ただ冷たいと感じるものではなく、血の巡りがつくるリズムが乱れているサインでもあります。40代は、年齢を重ねるにつれて“巡る力”が変わる時期。完璧を目指すのではなく、白湯一杯、ふくらはぎのストレッチ、深呼吸一つ。そんな“少しだけ”の習慣が、体を温め・流し・整える回路をつくります。
今日も、温めた手で深く息を吸い、ゆっくり吐きましょう。
そのたびに、体の中を巡る血のリズムを感じながら、
“整う私”の時間を育てていきたいと思います。

