サードプレイスを持つという、40代からの自分の整え方 ― 自分の居場所は、いくつあってもいい

②【生き方・考え方】

家庭、職場、地域。
40代になると、私たちは多くの「場所」に身を置いています。
けれど、それらの場が本当の意味で「自分の居場所」と呼べるかというと——
少し立ち止まって考えたくなることがあります。

家は安心できる場所だけれど、家事や家族のケアに追われて
「自分」だけのスペースが見つからない。
職場は責任もやりがいもあるけれど、気を張り続けてしまう。

もっと自然体で、心をほどける場所がほしい。

そんなふうに感じたことがある方に、今日は「サードプレイス」という考え方をご紹介したいのです。

サードプレイスってなに?

「サードプレイス(Third Place)」とは、家(ファーストプレイス)でも、職場(セカンドプレイス)でもない、
第三の居場所を意味します。

そこは、誰のためでもなく自分が「自分らしく」いられる場所。
気をつかわず、気張らず、ほっとできる空間。

サードプレイスは、物理的な場所である必要はありません。
大切なのは、「私はここにいていい」と思える感覚があるかどうか。

オフラインにも、オンラインにも、自分の居場所を

サードプレイスは、オフラインとオンラインの両方に持つことができます。
どちらも、それぞれに心地よさがあります。

オフラインの居場所の例

◎ 朝、家族が起きる前にひとり静かに過ごすリビング

◎ 行きつけのカフェの窓際の席

◎ 緑が心をなだめてくれる公園のベンチ

◎ 図書館や書店、手帳を書きながら過ごす喫茶店

物理的に「その場にいる」という体感は、呼吸を深くしてくれて、
心が地に足をつける感覚を思い出させてくれます。

オンラインの居場所の例

◎ 趣味を共有できるSNSアカウントやグループ

自分の想いを綴るクローズドブログ

◎ 共通の価値観を持つ人たちとのメッセージグループ

オンラインだからこそ、匿名性や距離感が心地よく感じられることもあります。
画面越しでも、「ここでは自分でいられる」と思える空間は、十分サードプレイスになります。

サードプレイスは、つくろうと思えば、どこにでも

サードプレイスは、「見つけるもの」ではなく、「自分で育てていくもの」。
最初は、ほんの小さな違和感に気づくところから始まります。

「最近、自分の時間をちゃんと持っていないな」
「誰にも気をつかわずに過ごせる時間って、どこにあるんだろう」
「心がすっとほどけるような瞬間がほしい」

そんなふうに感じた時こそ、自分の居場所をつくるタイミング。

たとえば、お気に入りのマグカップで入れたハーブティー。
窓からの光が差し込む小さな読書スペース。
定期的にログインする、共感してくれる誰かがいるフォーラム。

それらすべてが、あなたの「居場所」になり得るのです。

自分を守る“居場所”は、人生のクッションになる

誰かのために動く時間が多くなる40代。
だからこそ、自分だけの時間と場所が、心の健康には必要不可欠です。

サードプレイスを持つことで、
私たちは“張りつめすぎない”暮らしを選ぶことができます。

それは、ひとりぼっちになるということではなく、
「ひとりでいられる力」を持つということ。

自分にとって、どこが心地いいのかを知る

40代は、これからの生き方を整えていく大切な時期。
誰かの価値観ではなく、自分の心が喜ぶほうへ舵を切っていきたい。

そのためにも、「自分はどこにいたいのか」「どこなら本当の自分でいられるのか」
そんな問いかけを大切にしながら、
自分の居場所=サードプレイスを、少しずつ育てていきましょう。

サードプレイスは、わざわざ誰かに知らせるものではありません。
けれど、自分の中でその存在をちゃんと感じていれば、
きっと、日々の揺らぎにも静かに立ち向かえる力になるはずです。

心地よさは、いつも「どこにいるか」で決まる。
今日も、あなたが自分の居場所を少しでも見つけられますように。

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