40代になってから、収納との向き合い方が少しずつ変わってきました。
若い頃は、整理整頓といえば“仕切って・詰めて・並べて”が基本。
ケースやポーチで細かく仕切ることが「整っている証」だと思っていたのです。
けれど気づけば、バッグの中も引き出しの中も、収納グッズでいっぱい。
ちゃんと整理しているはずなのに、なんだか重たく、心までごちゃつくような感覚がありました。
そんなときに出会ったのが、「巾着袋」という、昔ながらのやさしい収納方法でした。
余計な形がないから、軽やかに整う
巾着は、ファスナーも芯もない、ただの布袋。
でもその“余計なものがない形”が、40代の暮らしにちょうどよかったのです。
たとえば、ポーチだと中身を詰め込んでパンパンになったり、かたい素材でバッグの中でかさばったりしがち。でも巾着なら、使わないときはペタンと折りたたんでしまえるし、形が柔らかく中身に寄り添ってくれる。
今、私はサイズや素材の異なる巾着を5〜6個ほど使い回しています。
それだけで、鞄の中も引き出しの中も、自然と整っているのです。
バッグの中でも“ゆるく整う”巾着活用術
たとえば、バッグの中にはこんな巾着を入れています。
◎ リップ・目薬・ハンドクリーム → 小さなリネンの巾着
◎ マスクの予備や除菌スプレー → 防水素材の巾着
◎ イヤホン・モバイルバッテリー → 厚手コットンの巾着
ポーチのように型が決まっていないから、バッグの中でも自然になじみ、手ざわりもやさしい。
それぞれにざっくり仕分けておくだけで、「あれ、どこだっけ?」と探すストレスがぐっと減りました。
引き出しにも、“余白”を残す収納に
巾着は、家の中の収納でも大活躍。
◎ 替えの電池やケーブル類 → 無地の巾着
◎ 使いかけの文房具 → 柄入りの巾着
◎ コスメのストック → 透け感のあるガーゼ巾着
ケースと違って四角いスペースにきっちり収まるわけではないけれど、逆にそれがちょうどいい。
“詰め込まない余白”が引き出しの中に生まれ、それが気持ちの余裕にもつながっている気がします。
「きっちりしなくても整ってる」が心を軽くする
巾着を使い始めて気づいたのは、
私が求めていたのは「完璧な整理」ではなく、“心地よく整っている感覚”だったということ。
以前は、「きれいに並べなくちゃ」「仕切らなきゃ」と自分にプレッシャーをかけていたように思います。
でも今は、巾着にポンと入れるだけで、ゆるく、やさしく、ちゃんと整っている。
“きっちりしていないけど片付いている”という状態が、思っていた以上に心をほぐしてくれました。
仕切らず整う。巾着でつくる軽やかな暮らし
収納は、ただ「しまう」だけでなく、気持ちにも影響を与えるもの。
40代の今、ようやくそのことを実感するようになりました。
整えすぎず、仕切りすぎず、それでもちゃんと居場所がある。
そんな「ちょうどよさ」が、巾着収納にはあります。
収納グッズに悩んでいる方や、整理しているのになぜか片付かないと感じている方へ。
巾着という、昔ながらの道具が、今の私たちにやさしく寄り添ってくれるかもしれません。