完璧じゃない自分に、ふとやさしくなれたとき
あるとき、鏡に映った自分の顔に、「あれ?なんだか疲れてるな」と感じる瞬間がありました。
シミ、むくみ、口角のゆるみ…。以前より、気になるところが増えた気がします。だけどその日は、ふしぎと落ち込むことなく、そのままの自分を受け入れられたのです。
「これも私」と思えたその瞬間、少し心が軽くなりました。
40代になって、悩みや迷いに触れる機会が増えた反面、そこに“自分らしさ”や“深み”のようなものがあることにも気づきはじめています。
弱さの中にある、静かな魅力
若いころは、強く見せることに必死でした。
「悩みなんてない顔をしなきゃ」「いつもポジティブでいなきゃ」―そんなふうに、理想の自分に近づこうとして、がんばりすぎていたように思います。
けれど今は、落ち込む日があってもいい。人と比べて悩む夜があっても、それは「ダメな私」ではないと、少しずつ思えるようになってきました。
不安や迷いを抱えたままでも前に進んでいる自分は、むしろ、とても誠実で、強い。
そんな「揺れている私」をそのまま認めることが、心の安定につながっているのだと感じています。
誰かの共感を生むのは、“整っていない言葉”だった
このブログを始めたころは、「きれいな言葉」や「役に立つ情報」を届けなければ、と肩に力が入っていました。
けれどある日、自分の悩みや小さなつまずきを正直に綴った記事に、知人から「すごく共感した」と声をかけられたのです。
「私も同じことで悩んでたよ」
「言葉にしてくれてありがとう」
そんなふうに言ってもらえたとき、自分の“弱さ”を見せることで、誰かとの距離がふわりと近づいたのを感じました。
完璧な情報や立派なアドバイスではなく、不器用だけど正直な想いこそが、誰かの心に届くこともあるのだと知った瞬間でした。
悩みは、見方を変えれば“見どころ”になる
40代に入ってから、悩みの質が少しずつ変わってきました。
見た目の変化、将来の不安、人間関係のバランス…。どれも、簡単に答えが出るものではありません。
けれど、その悩みがあるからこそ、自分を深く見つめ直したり、新しい選択をしたりできるようになったとも思うのです。
それはまるで、人生というドラマの中で「ここが見どころです」と印をつけてくれているような感覚。
苦しいときもあるけれど、そこには必ず、今の私にしかない視点や想いがある。
そう気づいたとき、悩みを「手放すべきもの」ではなく、「味わうもの」として受け入れられるようになりました。
40代の“悩み”は、未来をつくる力になる
昔の私は、「悩み=ネガティブなもの」と決めつけていたように思います。
けれど今では、それが自分の“魅力”や“深み”を育てる栄養のようなものだと感じるようになりました。
ありのままの感情を否定せず、そのまま受け止める。
ときには立ち止まり、ときには誰かに話しながら、自分らしい歩幅で暮らしを整えていく。
40代という年齢は、不安と希望が混ざり合う、とても奥深い時間。
だからこそ、悩みがある今の自分を大切に、そして少しだけ誇らしく感じながら、日々を重ねていきたいと思います。