「気をつけたい、植物の力との付き合い方」シリーズ 第1部:自然の恵みにも“強さ”がある ― 精油とハーブティーの違いと安全な使い方

④<ナチュラルケア・ハーブ>

40代を迎え、「自分を整える暮らし」を少しずつ深めてきた私です。ハーブティーのやさしい味わいや、香りのある暮らしが、日々の心地よさを育んでくれることを実感しています。けれど最近、「自然なものだから大丈夫」と思い込んでいた自分に、少し驚くことがありました。
それが、精油(エッセンシャルオイル)の使い方には、ハーブティー以上に注意が必要だということ。

そこで今回から、【3部作】として
“気をつけたい、植物の力との付き合い方”をテーマに、精油やハーブの安全な取り入れ方について、綴っていきます。

今回はその第1部として、「精油とハーブティー、実はこんなに違う」ということをお届けします。40代からの私時間に、植物の力を安心して味方にするために、まずは知っておきたい基本から一緒に見ていきましょう。

精油は“香りのしずく”だからこそ、慎重に

アロマオイルに触れると、「ほっ」とする香りに包まれ、心がゆるむ瞬間がありますよね。でも実は、精油というのは植物から抽出された、すごく濃いエキスなんです。ほんの数滴に、たくさんの植物の力がぎゅっと凝縮されていて、その分、使い方を間違えると体に負担になることもあります。
例えば:

● 原液をそのまま肌につけると、ピリピリとした刺激を感じたり

● 誤って飲んでしまうと、中毒や肝臓への負担が出ることも

● 妊娠中や赤ちゃん、お年寄りにはごく微量でも影響がある場合がある

実際、「精油は雑貨扱い」のため、飲用を推奨する安全基準は国内には存在していません。つまり、「飲めるハーブティー」と同じ感覚で使ってはいけないものなのです。

ハーブティーとの違いは?

同じ植物を使っていても、ハーブティーと精油では安全性がまったく違うということをご存じですか?

項目精油(エッセンシャルオイル)ハーブティー
主な使い方外用・芳香のみ(内服は原則NG)飲用できる
成分濃度とても高濃度(脂溶性成分が中心)低濃度(水溶性成分中心)
主なリスク皮膚刺激・誤飲中毒・香害・肝毒性など飲みすぎ・体質による軽い不調程度

こうして見ると、精油は「香りのしずく」だからこそ、特別な注意が必要な存在であることがわかりますね。
一方でハーブティーは、ゆるやかに体に寄り添ってくれるような存在。摂りすぎなければ、普段の生活にも取り入れやすいです。

安全に植物療法を楽しむための、やさしいルール

40代からは、何より“無理をしないこと”“急がないこと”が大切。植物の力も、私たちの味方であるためには“適切な距離感”が必要です。
私が実践している、小さな注意ポイントはこちら:

精油は必ず希釈して使うこと(原液NG)
 → 植物油などの「キャリアオイル」で、しっかり薄めてから肌に使います。

飲用・内服・うがいなどの使用は避ける
 → 精油は雑貨扱いであり、誤飲による事故も報告されています。

使用前に自分の体質や環境を振り返ること
 → 妊婦・乳幼児・アレルギー体質・持病のある方は、まず芳香浴(ディフューザーや香りを楽しむ)にとどめて、専門家に相談するのがおすすめです。

保管方法にも気をつけて
 → 光・熱・空気によって変質しやすいため、遮光瓶で冷暗所に保管を。  

希釈率の目安を知ること
 → 多くのガイドラインでは、成人の肌への使用は 1〜3%ほどが一般的な安全範囲とされています。

植物の力を暮らしに、やさしく

精油は、植物の力をぎゅっと閉じ込めた“ちいさな自然の贈りもの”。だからこそ、正しく知って、やさしく使うことで、私たちの暮らしをそっと整えてくれる存在になります。
香りを暮らしに取り入れると、ふとした瞬間に深呼吸ができたり、自分の内側と静かにつながれたり。そんな感覚を大切にしたいと思うのです。
40代からは、“知ること”が“安心につながる”時間。植物療法の第一歩として、ぜひ参考になればうれしいです。

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