40代からの目のケア—緑内障と向き合う私の鍼灸治療体験 第5回

緑内障について

第5回:“信じること”の大切さと自然治癒力への気づき

40代で緑内障と診断された私が、鍼灸治療に出会うまで―目のケア体験記⑤

これまで、目の不調と向き合いながら見つけた東洋医学や薬膳のこと、鍼灸治療を受ける中での変化などを綴ってきました。よろしければ、こちらもご覧ください。
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今回は、「効果以上に大切だと感じたこと」について、私の体験を通してお話ししたいと思います。

それは、「信じてみる気持ち」と「自分の治る力を信じる姿勢」のことです。

最初は半信半疑だった、鍼灸への想い

緑内障と診断されてから、さまざまな情報を調べてたどり着いたのが「鍼灸治療」でした。
でも正直、最初は私も半信半疑でした。

「気の流れ」や「経絡」という言葉に戸惑い、目に見えない世界のことを信じきれなかったのです。

それでも、続けてみようと思えたのは、鍼灸の先生の穏やかで力強い言葉のおかげでした。

「信じられないままでは、体はなかなか良くなりませんよ。」

私はこの言葉を、最初はただの精神論だと思っていました。
でも、通ううちに、少しずつ体がほぐれていく感覚や、目の疲れが軽くなる瞬間を感じるようになりました。

隣のベッドから聞こえてきた、もうひとつの声

ある日、鍼灸の施術中に、隣のベッドから聞こえてくる女性の声が耳に入りました。
その方は便秘症で通っているようで、先生から毎回ていねいに声をかけられていました。

けれど、どこか会話に元気がなくて、治療そのものにあまり前向きになれていないような印象を受けました。

「特に変わらないです」「うーん…まだよく分かりません」
そんな受け答えが続いていて、私はなんとなく気になり、
数回目の施術のあと、先生にそっと聞いてみました。

「最近、あの方を見かけないですね。」

先生は少し寂しそうに、でも穏やかにこう話してくれました。

「効果があるかどうかより、まず“信じてみよう”という気持ちがないと、体はなかなか反応しにくいんです。
疑う気持ちのまま通っていても、体が開いてくれないんですよね。今はもう来られていないんですよ。」

その言葉を聞いて、私は静かにうなずきました。

体にとって、「信じる」「任せてみる」「前向きな気持ちで整えようとする」。
それがどれだけ大切なことかを、改めて感じた瞬間でした。

前向きな言葉が「気の流れ」を整える

鍼灸は、「気(エネルギー)」の流れを整える東洋医学のひとつ。
言葉には見えない力が宿っていて、感謝や前向きな言葉は、まさに“気の巡り”を促すと先生は教えてくれました。

実際に私も、体の変化に少しずつ気づき始めた頃、
「最近調子いいですね」「頑張ってますね」と先生に声をかけてもらったことが嬉しくて、
自分の身体にもっと意識を向けられるようになりました。

そうして前向きな気持ちが育っていくと、不思議と、鍼やお灸の効果も感じやすくなっていった気がします。

自然治癒力を信じて、整えていく

体は、薬や治療だけで良くなるのではなく、
「回復する力をもともと持っている」と、鍼灸を通して感じるようになりました。

目の不調だけでなく、関節のこわばりや、肌のくすみなども、以前より整いやすくなってきました。
「治してもらう」のではなく、「治る力を育てていく」。
そう思えるようになったことで、暮らしそのものが少しずつ穏やかになっています。

これからの整え習慣へ

これまで、緑内障の目のケアを中心に鍼灸の体験を綴ってきましたが、
今後は、関節の痛み・皮膚トラブル・季節の変わり目の不調など、
40代の私たちが抱えやすい悩みに対して、鍼灸や東洋医学がどんなサポートになるのか、少しずつご紹介していけたらと思っています。

信じることで変わること。
自分の内側から整えていくこと。
小さくても確かな実感を、これからも大切にしていきたいと思います。

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