40代からの目のケア—緑内障と向き合う私の鍼灸治療体験 第2回 

緑内障について

第2回:“せいめい”ツボへのアプローチ — 鍼灸が導いた私の体と目の変化

40代で緑内障と診断された私が、鍼灸治療に出会うまで―目のケア体験記②

前回の記事では、40代で緑内障の初期診断を受けた私が、セカンドオピニオンを求めて都内の眼科を予約しつつ、鍼灸治療を開始した経緯についてお話ししました。今回はその続きとして、初期の鍼灸施術で印象的だったツボ「セイメイ(晴明)」へのアプローチと、体と目に現れた変化について綴ります。

顔に鍼を打つのは初めてだったが、不安はなかった

これまでに鍼灸の経験はありましたが、顔に鍼を打たれるのは初めてでした。ただ、特に不安はなく、先生の説明と手際の良さもあり、落ち着いた気持ちで施術を受け始めました。

最初の1〜2回は、目の周囲の「攅竹(さんちく)」、首の「風池(ふうち)」「天柱(てんちゅう)」といったツボに鍼を打って、身体の反応や全体のバランスを整えていくアプローチが取られました。体に備わっている自然治癒力を高める、という東洋医学の考え方に基づいた方法です。

セイメイへの鍼、天地がひっくり返るような反応

3回目の施術から、先生が「セイメイ(晴明)」というツボに鍼を打ち始めました。目頭の内側にある繊細な部分で、「このツボに鍼を打てる鍼灸師はあまりいない」と先生は話していました。

実際にそのツボから鍼を抜いた瞬間、天地がひっくり返るような感覚がありました。目の奥にズンと響くような刺激があり、一瞬、「少し痛いかも」と思いました。すぐに先生にそのことを伝えると、「反応ですね、大丈夫です」とのこと。すると不思議なことに、数分もしないうちにその痛みはスッと消えてしまったのです。

目が軽く、空が明るく見えた

その施術を終え、鍼灸院を出て家に向かう途中、ふと空が明るく見えたことを覚えています。目の奥の重たさが消えており、額にあった圧迫感も感じなくなっていました。目だけでなく、体全体が軽くなったような感覚もあり、「これは何かが変わったかもしれない」と実感しました。

以来、「セイメイ」に鍼を刺されると、目がパッと開くような感覚や、視界がクリアになる感覚を毎回のように感じるようになりました。

好転反応と、鍼灸への信頼

ただ、全てがすぐに楽になったというわけではありません。施術を受けた日の夜には、眠くてだるくて仕方がないような、強い疲労感に襲われることもありました。これがいわゆる「好転反応」なのかもしれません。血流が悪いタイプの私は、体が巡りを取り戻すプロセスで大きく反応したのだと思います。

鍼灸師の先生は、「西洋医学は局所を治すが、東洋医学は全体のバランスを見る」と何度もおっしゃいます。「経絡」「気」「陰陽五行」など、最初は難しく感じる言葉も多く、正直なところ完全には理解できていませんでした。でも、“分からなくても、まずは信じて任せてみよう”という気持ちで施術を受け続けることにしました。

次回予告:眼科での眼圧とレーザー治療の話

こうして鍼灸治療を受け始めて1か月ほどが経ったころ、以前予約していた東京都内の注目の眼科(トップ10に入る眼科)でのセカンドオピニオンの受診日がやってきました。そこで測定された眼圧の結果と、提案されたレーザー治療の選択肢について、次回は詳しくご紹介したいと思います。


目の不調に対して、鍼灸という選択肢を加えることで、ただ治療を受けるだけでなく、体全体と向き合う時間が増えたように感じています。
次回は、眼圧の具体的な数値や、医師から提案されたレーザー治療の選択についても触れていきます。東洋医学と西洋医学、両方の視点でどう判断したのか—その記録をお届けします。お時間のあるときに、ぜひご覧ください。

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